信用スコアとは?初心者向け解説と中国や日本の信用力スコアリングサービスを紹介

信用スコアとは

個人にひもづくたくさんの情報(パーソナルデータ)をAI(人工知能)が分析し、個人の信用力を

「信用スコア」

という数字で得点化(スコアリング)するサービスが世界中で増えつつあります。

個人の信用力が数字という誰でもわかるような形式で可視化され、かんたんに確認できるような世界は

  • ジョージ・オーウェルの小説「一九八四年」

  • オルダス・ハクスリーの小説「すばらしい新世界」

  • 日本のアニメ・映画「PSYCHO-PASS(サイコパス)1)作品内には犯罪係数という信用スコア的な仕組みが頻繁に使われています。

  • 日本の小説「ユートロニカのこちら側2)作品内には「情報等級(アガスティア・ランク)」という信用スコア的なサービスが登場しています。

などでディストピアとして描かれた管理社会を連想させます。

しかし事実として、個人の信用力をスコアリングするサービスは大多数の人にとってメリットのあるサービスです。

とくに、日本のように規律を守り真面目に日々の生活を送っている人が多い国の場合は、デメリットよりもメリットの方がはるかに多いように思います。

この記事ではまず、信用スコアの意味や使われ方などについて説明し、その後に世界中にある、個人の信用力をスコアリングするサービスを紹介します。

この記事を読んでもらえれば、信用スコアはそこまで強い不安を感じるようなものではないことがわかるはずです。

信用スコアとは?

日本でもすこしづづ新聞やテレビなどのニュースで

  • 信用(しんよう)スコア

  • 格付けスコア

などの個人の信用力を数値化するサービスに関連する言葉が使われる頻度が増えているように感じます。

それだけ注目度が高いということでしょう。

しかし、日本ではサービスの事例が乏しいこともあり「信用スコア」という言葉を聞いただけではいまいち意味がわかりません。

検索して個人や専門家のブログやTwitterを見つけても不安感を煽るような内容だったり、なにやら難しい説明が多いです。

なので、ここでは信用スコアについての仕組みや、高い信用スコアを得ることのメリットなどを初心者でもわかるように解説したいと思います。

ちなみに、信用スコアは

「クレジットスコア(英語だとcredit score)」

と呼ばれることもありますが、意味はほとんど同じです。

信用スコアは個人の信用力をしめす数字

では、信用スコアとはどんなスコアなのでしょうか。

簡潔に言ってしまえば、個人ごとに付与される数字です。

数字の桁はサービスによって違いがありますが、だいたいは2桁か3桁です。

基本的には数字が高ければ高いほど、その人の信用力が高いことを意味します。

ちなみに、下の画像はインドの「シュブローン」という個人向けキャッシング(融資)サービスで使われる信用スコアの画面です。

この画面は信用力が100点満点中88点であることを示しています。

シュブローンのクレジットスコア

信用力とは何か?

信用スコアは個人の信用力をしめす数字だと説明しました。

では、個人の信用力とは何なのでしょうか。

人は他人を信頼するかどうかを、おおまかにはその人の

  • 人柄

  • 能力

をチェックして判断しているといわれています。

それぞれを少し補足すると

  • 人柄:誠実さ・几帳面さ・真面目さ・公平さ・優しさ

  • 能力:稼ぐ力・資格・経験・経歴・過去の実績

などの個人の性質が信用力の判断材料となっています。

信用スコアが高いということは、これらの要素を持ち、人として信頼できる確率が高いことを意味します。

ただし、サービスによって基準やチェックするポイントは違うので、一概には言えない部分も多いです。

さらに特定の分野、たとえばキャッシングなどにおける信用力と、シェアリングエコノミー分野での信用力には違いがあるので注意してください。

この場合は、キャッシングだと返済能力と性格的な几帳面さ、シェアリングエコノミーだと人柄や真面目さなどが信用力として重要視されます。

信頼スコア

信用スコアはどのように決まるのか?データが大事

個人の人柄と能力によって信用力が判定されると説明しましたが、どのようにして個人の人柄と能力を判定するのでしょうか。

これはとてもシンプルで、

「個人のデータ」

を判断材料として判定されています。

データは

  • 直接的に関係のあるデータ

  • 統計上で相関関係があるとされているデータ

の両方の種類がつかわれます。

例をあげると、その人が真面目な人柄かどうかを判定するときは

  • クレジットカードの支払いを毎月遅延することなく支払っているか

  • facebookのコメントに対してマメに返信しているか

などが使われる可能性があります。

クレジットカードの支払いに関するデータは直接的に関係のあるデータで、Facebookのコメントの返信が相関関係があるデータとなります。

これはあくまでも例なので本当に相関関係があるかはわかりません。

しかし生活の中で記録されるひとつのデータは他の要素とたくさんの相関関係を持ちうる可能性があります。

よって無意識にする間接的な行動で自分の信用スコアを下げる可能性があるのです。

ということはその逆もあり、無意識の行動で自分の信用スコアが上がる可能性もあります。

判断材料となるデータは多い方が有利になる確率が高い

データで人の人柄や能力が判断されるのには不安や恐怖を感じる方も多いでしょう。

ですが、これまでも

  • 進学時の内申点

  • 就職・転職の書類審査や面接

  • 賃貸物件の入居審査

  • クレジットカードの新規発行申し込み

  • 消費者金融での融資申し込み

  • 住宅ローンの融資申し込み

などの場面で個人に関係するデータを提出したり、面接などで人柄や能力を判定されていました。

なので、これまで行われていたことと本質的な違いはありません。

ただ信用力の分析に使われるデータの種類と量が増えたということです。

そして、信用スコアの分析にあたって、個人はデータはたくさん提出すればするほど信用スコアが高くなるという傾向があります。

なので提出できるデータをたくさん持っていた方が有利です。

もっとも良くないのは

「データがない」

という状況です。

これでは判断材料が無いので、信用力の分析ができません。

なので、データによって信用力が判断される時代においては意識的にデータをネット上に残すという作業が大切です3)良いデータを意識して残すことも大事です。

この点に関しては、いまはスマホがありますので、スマホとスマホアプリをフル活用することになります。

スマホでデータを記録する

データの提供は任意でおこなわれることがほとんど

ほとんどの場合、個人のデータは任意での提供のもとに分析されます。

少なくとも日本の場合は国家などが秘密裏に個人の情報を収集して、個人の信用スコアをマイナンバー(個人番号)にひもづけて管理しているなんていうことはありません。

基本的には信用スコアを管理するのは民間企業なので、社会的に猛烈な批判を受けるようなことはできません。

しかし、おとなり中国では国家が「社会信用システム」を運営するとの報道もあります4)https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/14-8.php

ここまで来ると任意ではなく、強制的に個人の情報が収集されるはずです。

パーソナルデータ

AI(人工知能)がデータを分析している

信用スコアは個人のデータによって判定されます。

では、判定するのは誰なのでしょうか。

これはAI、人工知能です。

なので面接官のような人間ではなく、プログラムが人の評価を機械的に決めていることになります。

この状況もじゅうぶんにSF的ですね。

AIが判定することにより

  • いつでも膨大な量のデータを分析できる

  • データにもとづいて客観的に判断する

  • 常に最新の判断基準にもとづいて判定する

などが期待できます。

ただし、AIも万能ではありません。

ほとんどの場合はAIがすべて判断しますが、特殊な場合は人が判断することもあると思います。

ただ、判断は面接などによるものではなく、おそらく個人のデータを担当者が見ることによっての判断です。

人工知能

スコア取得者の行動データによっても随時変化する

信用スコアはスコアの取得者がどのような行動をするかも可能な場合はデータとして取ります。

例を挙げると、もし信用スコアが高い人だけがするような特徴的な行動を発見したら、その相関関係をアルゴリズムに組み込みます。

逆に信用スコアが低い人の多くがするような行動も同じようにアルゴリズムに組み込まれます。

つまり、スコア取得者のその後の行動もしっかり分析しているのです。

どんな会社が信用スコアを決めているのか

個人に対して信用スコアを付与する事業は厳密には「個人向け信用格付け事業」とも呼ばれ、事業を開始するにあたって免許や資格等は不要です。

だから、別に企業ではなく個人でも個人向けに信用スコアを作成する事業をはじめられます5)あくまでも2018年10月の段階の話で、将来的には許認可等が必要になるかもしれません。ちなみに中国では国家が認可しないと参入できません。

しかし、信用スコア分析にあたって、たくさんの個人的なデータ(パーソナルデータ)が必要です。

パーソナルデータの収集と分析を一般企業に任せているという点では、利用者としては

  • 上場企業

  • 大企業

  • 有名な会社

など、データのセキュリティや使い方の面で信頼できる会社以外には信用スコア分析の参考になるデータを渡さない方が賢明です。

このあとに紹介しますが、中国の有名な信用スコアサービス「芝麻信用」は親会社が時価総額で世界ランキング上位に入るアリババグループです。

サービスの規模的に大きな会社でないと難しい部分もありそうです。

自分の信用スコアを診断・確認する方法

自分の信用スコアを確認したいときは、個人の信用スコアを診断・算出してくれるサービスを利用するしかありません。

ほとんどのサービスで、信用スコアを確認することは無料で可能です。

※サービスによっては信用スコアを確認できるのは会社のみで、本人は確認できない場合もあります

登録して、ただ自分のスコアを確認するだけという行為も可能ですので、リスク等はほとんどありません。

ただ、サービスによっては信用スコアの分析に使われたデータの盗難や流出リスクもあるので、信頼できる会社のサービスを使ってください6)ただし、リスクをゼロにすることはどんな企業でも事実上不可能に近いです。ネットを使ってデータを渡すという行為自体にもリスクがあることを理解して利用してください。

高い信用スコアを得ることのメリット

信用スコアを持っているだけではいくら高いスコアを持っていても意味がありません。

高い信用スコアは信用スコアと連携しているサービスを使ってはじめて意味がでます。

具体的には高い信用スコアを持っていれば、提携しているサービスにおいて

  • 良い条件・待遇で利用できる

  • 審査などに自動的に合格する

などのメリットが期待できます。

他にも様々なメリットがありますので、くわしくは高い信用スコアを得ることのメリットを解説した下記ページで確認してください。

自分の信用力をスコアリングし、信用力によってパーソナライズ(個別化)されるサービスが増加しています。信用力をスコアリングするサービスを使って高い信用スコアを得ることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

信用スコアが低いことによるデメリット

信用スコアが低くても、高い時と同じで連携サービスを使わなければ特にデメリットはありません。

ただ、連携するサービスにおいては信用スコアが高い人ほどは優遇されません。

しかし、もし信用スコアが低くても、努力すれば信用スコアを上げることは可能です。

信用スコアをアップさせる方法

信用スコアは人工知能がデータを読み込むことによって客観的に判断されます。

ということは、人工知能から高く評価されやすいデータを個人に紐づけることによって信用スコアは上がります。

もちろん100%確実に高くする方法などはありませんが、スコアアップについて興味がある方はリンク先で確認してください。

個人のお信用スコアを上げる方法について全般的に解説します。信用スコアがなかなか上がらないなど、スコアアップについて悩みがある方は参考にしてください。

信用スコアの普及は社会にどのような影響を与えるのか?

信用スコアが高いと様々なインセンティブを得ることができます。

よって、誰もがインセンティブによって得をしたいと考えるので、信用スコアを高い状態で保ちたい望みます。

だから信用スコアが高くなるような行動をみんながするようになります。

人の社会にはルールややってはいけないことが明文化された「法律」が欠かせません。

信用スコアは道徳的・倫理的な行動をして、それをデータに残すことによって高くなります。

なので信用スコアはゆるやかな法律のようなものとも捉えることができます。

法律とは違い違反(信用スコアが低くなるような行動)しても罰則はありませんが、違反するような行為をしたら信用スコアが低くなるというデメリットが発生します。

よって信用スコアが普及することにより、社会には

  • 人々のマナーが良くなる

  • 人が他人のことを配慮する社会になる

などの影響が出ると思います。

明文化された法律とは違い、信用スコアはより緩やかで可変性に富んだ社会のルールの構築に役立ちそうです。

個人の時代においては、法律以外にも信用スコアのような仕組みがあった方が人は「良い人」として行動しそうな気がします。

コミュニティや組織の時代から「個人の時代」へ移行する際の象徴のようなものとして信用スコアが機能するかもしれません。

日本やアメリカ・中国の代表的な信用力スコアリングサービス

個人を信用スコアで格付けするサービスは先進国を皮切りに世界中に広がりつつあります。

また、どのサービスも法律的な問題や社会的な問題を起こしながらもその便利さや話題性から徐々に普及しているという特徴があります。

ここからは、

  • 中国

  • アメリカ

  • 日本

の代表的な信用力スコアリングサービスを紹介したいと思います。

中国の芝麻信用

芝麻信用は中国のサービスで、

  • セサミ・クレジット

  • ゴマ信用

  • ジーマ信用

などと呼ばれます。

すでに説明したように、芝麻信用はアリババグループのサービスで、利用者は350〜950点でスコアリングされます。

芝麻信用は2015年にはじまった新しいサービスですが、すでに数億人もの間に普及し、世界を代表する信用スコアリングサービスとなっています。

芝麻信用の影響力は中国ではとても強く、

  • 信用スコアの分析に使われるデータの量が多く

  • 高い信用スコアを得ることによるメリットも大きい

ということから、中国人の行動や生活習慣を変えたとまで言われています。

中国では国家が主導する「社会新システム」「社会信用スコア」という仕組みがあり、これと芝麻信用は混同されがちです。

しかし、そもそも運営元が違うので芝麻信用=社会信用システムではありません。

・芝麻信用webサイトURL

https://www.xin.xin/

中国版クレジットスコアとして広く普及している「芝麻信用」についての概要と仕組みについての情報です。個人の信用力をスコア化するサービスについて初歩的な知識を得たい方におすすめの記事です。

芝麻信用公式サイト

アメリカのFICOスコア(クレジットスコア)

アメリカのFICOスコアは「クレジットスコア」とも呼ばれ、中国以上に生活に深く浸透しています。

アメリカでは、

  • エキファックス

  • エクスペリアン

  • トランスユニオン

という3つの信用情報を収集している機関があります。

これらの機関が収集しているクレジットレポートをベースに、FICO社のシステムを使ってクレジットスコアが算出されます。

スコアは300〜850点の間で、高いほど高い信用力があることを示します。

クレジットスコアは

  • 就職

  • 各種ローン

  • 賃貸物件の入居審査

など、かなり広いジャンルで使われます。

アメリカでは親が子供にクレジットスコアを高くする方法を教える、というくらいなので、社会に信用スコアの概念が浸透していることがわかります。

yahoo!は日本版芝麻信用を作れるか?

日本を代表するネット企業であるヤフーが信用スコア事業に進出することを発表しました。

yahoo!がヤフーIDにひもづいた信用スコア事業を開始します。この記事ではヤフーの信用スコア事業を解説します。

ヤフーの信用スコアはヤフーIDにひもづくので

  • ネット通販の購入履歴(Yahoo!ショッピング等)

  • 中古品オークションの購入や販売の履歴(ヤフオク等)

  • ニュースの閲覧履歴(Yahoo!ニュース)

  • 検索エンジンで検索した履歴(Yahoo!検索)

などのデータを信用力の分析に利用でき、精度の高さが期待できます。

正式なサービス開始はまだ先になりそうですが、ヤフーの今後は展開は日本の信用スコアビジネスに大きな影響を与えそうです。

NTTドコモが信用スコアに参入

NTTドコモは2019年春の参入を発表しています。

ドコモは自社の携帯電話契約者向けとなりますが、携帯電話の契約や支払い内容にはたくさんのパーソナルデータが含まれています。

なのでドコモは保有するデータの面で他社と比較して優位に立っているとも考えられます。

株式会社NTTドコモが信用スコア事業「ドコモスコアリング」を開始します。

他にも日本の有名企業が準備中

2018年の後半になり、日本の大手企業の参入を表明することが増えました。

公式には未発表でも規模の大きな企業で個人向け信用格付けサービスは準備されているようなので、2018年後半から2019年にかけて続々と新しいサービスがはじまりそうな雰囲気があります。

無料チャットアプリで有名なLINEによるLINEクレジットやLINE Credit Scoreについての推測です。
メルカリが子会社のメルペイを通じで個人の信用力をスコアリングする事業を始めるようです。実際はどのようなサービスになるのかを考えたいと思います。

脚注・引用   [ + ]

1. 作品内には犯罪係数という信用スコア的な仕組みが頻繁に使われています。
2. 作品内には「情報等級(アガスティア・ランク)」という信用スコア的なサービスが登場しています。
3. 良いデータを意識して残すことも大事です。
4. https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/14-8.php
5. あくまでも2018年10月の段階の話で、将来的には許認可等が必要になるかもしれません。ちなみに中国では国家が認可しないと参入できません。
6. ただし、リスクをゼロにすることはどんな企業でも事実上不可能に近いです。ネットを使ってデータを渡すという行為自体にもリスクがあることを理解して利用してください。
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