信用スコアとは、その人の信用力を表す数値です。
そして信用スコアは、その人の信用力を判定するために
-
人柄
-
能力
-
将来性
などの要素を客観的に分析しています。
判定するときに判断材料となるのは個人のデータで、AI(人工知能)がデータを分析することによって信用スコアは決定されます。
人は自分の信用スコアの数値によって様々なメリットを得ることができます。
なので、とうぜん信用スコアは低いより高い方が良いのですが、どうしたらAIに信用力が高いと判定してもらえるのでしょうか。
この記事では、世界中の信用力スコアリングサービスの動向をふまえ、どのような行動をしたら信用スコアが高くなるかをまとめます。
ただ、ここで書かれていることはあくまでも傾向的なものです。
運営会社によって
-
アルゴリズムの判断基準
-
分析に使うパーソナルデータ
などが違うので、絶対的な手法やテクニックはありません。
信用力の定義も社会状況や価値観の変化で変わってしまいます。
それに、大前提として、100%の確率で信用スコアが高くなる方法は運営会社にしかわかりません。
ときには、運営会社ですらわからないことなのです。
これは、人工知能がデータを分析して、独自のアルゴリズムで機械的に信用スコアを算出するからです。
このページの目次
- 1 信用スコアを高くするための全体的な考え方やポイント
- 2 信用スコアの上げ方その1. 個人のプロフィールデータを良くする
- 3 スコアアップの方法その2. SNSのデータを良くする
- 4 スコアアップの方法その3. 決済などの金融面でのデータを増やす
- 5 スコアアップの方法その4. シェアリングエコノミーのレビューで人柄を評価してもらう
- 6 スコアアップの方法その5. シェアリングエコノミーやレンタル系サービスを正しく利用する
- 7 スコアアップの方法その6. ボランティアに積極的に参加する
- 8 スコアアップの方法その7. 特定の信用力スコアリングサービス用にデータを集中させる
- 9 信用スコアが絶対に上がる方法はない
信用スコアを高くするための全体的な考え方やポイント
この記事では具体的にどんな行動をしたら信用スコアが高くなるかを説明します。
しかし、スコアアップの具体的な方法説明する前に、信用スコアを高くするための
-
全体的な考え方
-
ポイント
など、抽象的な部分から説明したいと思います。
これら基本的な部分は、時代の変化やテクノロジーの進歩などの影響は受けづらいものです。
なので、信用スコアを上げたいと思ったら常に意識しておきたい部分でもあります。
社会の中で倫理的・道徳的とされる行動をする
まずはじめに意識したいのは、自身が所属する社会の中で
-
倫理的
-
道徳的
だと他者から思われるような行動や発言をすることです。
現実世界だけでなく、インターネットの世界のようなヴァーチャルな空間でも同じ基準が求められます。
道徳的・道徳的だと評価される行動や発言をすれば、結果として自分以外の他者から信頼される人物になることができます。
そして、人から信頼される人物は人工知能がスコアリングする信用スコアにおいても、高く評価されます。
良い行動はデータとして残す
倫理的だったり道徳的な行動や発言をすることはとても大事です。
けれど、行動や発言をするだけでは信用スコアは上がりません。
AI(人工知能)にそれを認識してもらわないと信用スコアの評価に反映されません。
AIはデータという形式で情報を認識し、データを分析して信用スコアを算出します。
データでないとAIは理解できないのです。
なので、自分の行動はネットなどにデジタルデータとして残るようにしてください。
ハッキング的な手法なのでおすすめはできませんが、意識的に良い行動のみを選んでデータ化して保管することにより、自分の評価を高めることも可能です。
ただ、この方法だとデータの内容に矛盾が生じやすいので、AIのアルゴリズムが進化したら都合の悪いデータを隠していることがバレる可能性があります。
ここまで進化したらパーソナルデータの取捨選択などをせず、正直に申告するしかありません。
データはできるだけたくさん渡す
判断に使う材料(データ)がぜんぜん無いことが最も悪いということなのでしょうか。
信用スコアには、たくさんのデータを渡せば渡すほど数値が高くなるという傾向があります。
なので、渡してもよいと思うようなデータは信用力スコアリングサービスの運営会社に渡しましょう。
どのサービスも、強制的に個人情報を抜き取るなどの行為はしませんので安心してください。
信用スコアの作成に使う情報は、基本的に個人の同意や許可のもとにデータ収集・分析されます。
信用スコアの上げ方その1. 個人のプロフィールデータを良くする
ここからは、具体的にスコアを上げる方法を解説していきます。
まずは、個人のプロフィールについてです。
個人のプロフィールについてのデータは、自分で完全にコントロールすることが極めて困難です。
なので、基本的には目標に向かって継続的に努力し、努力した結果として
-
学歴
-
職歴
-
資格
などのデータとして形になるものを得ることが重要です。
そして、同時に犯罪や逮捕・裁判履歴などのネガティブなデータが加わらないように注意することが必要です。
プロフィールを充実させたり本人確認をおこなう
まず、プロフィールについての大前提です。
大前提になるのは
-
そのプロフィールの本人であることを書類等で証明する
-
プロフィールの項目をしっかり全部埋める
-
プロフィールを偽ることなく真実を記入する
などです。
免許証等の証明書類のアップロード等が必要であればアップロードし、プロフィールの項目には嘘を記入することなく、すべての項目に真摯に回答しましょう。
どんなデータが良いプロフィールとして評価されるのか?
本人確認をおこない、プロフィールの項目を全部埋めたとします。
では、どんなプロフィールならAIに高く評価されるのでしょうか。
良いプロフィールとは、具体的な例をあげると
-
住所:極端に治安の悪い地域等に住んでいない
-
学歴:大学を卒業している、もしくは社会で活躍できる専門的な知識を在学中に得ている
-
職歴:短い期間での転職を繰り返したりしておらず、一般的な企業に最低でも数年間は働いている
-
年収:平均的な所得かそれに近い額の収入以上を得ている
などで、べつに特殊な知識や経験は必要がありません。
言ってしまえば、日本におけるごく普通の平均的なプロフィールとも言えます。
しかし、住所以外はどれも継続的な努力が必要なものばかりです。
目標に向けて頑張ったり努力したりして、その結果として得られるものには価値があるということでしょうか。
スコアアップの方法その2. SNSのデータを良くする
SNS時代になり、現実世界の友達以外にもネットの世界でSNS(ソーシャルネットワークサービス)などを通じで独自のつながりを持てるようになりました。
今の時代はSNSでの人とのつながりや言動からもその人に対してわかることがあります。
なので、信用力スコアリングサービスによってはSNSのデータを信用力の判断材料に使います。
SNSではどんなデータを残せば良いのか
SNSでチェックされるデータは大きくは
-
SNSでつながっている友達(フォロー・フォロワー)
-
SNSでの発言(投稿やリツィートの内容)
この2種類です。
さらに自分のデータだけでなく、
-
自分の友達がどんな人と友達になっているか
-
自分の友達がSNSでどんな言動をしているのか
-
自分の友達の信用スコアの状況
などもチェックされる可能性があります。
特に金融関係の信用力スコアリングサービスには、SNS上に借金の未返済を繰り返す人が友達にいる場合、その人もお金に関してはルーズである可能性が高い、というデータがあるようです。
よって、ネットだからといって誰とでも気軽に友達になったりすると自分の評価が下がる可能性が出てきます。
面倒かもしれませんが、友達の申請などは毎回相手のプロフィールやフォロワーを確認してからにしましょう。
現実世界と同じようにふるまえば問題なし
自分のSNSをどのように管理したら良いのかは難しい問題ですが、ざっくりと言えば現実世界の自分と同じようにSNSでの自分も管理すれば良いだけとも言えます。
具体的には
-
どんな発言・行動をするか
-
どんな人と友達になるか
などを、現実での自分と同じ基準で行動すれば基本的には自分の信用スコアが下がるようなことは起きづらいです。
さらに現実世界と同じで、
-
この行動をしたらどうなるか
-
この行動をしたら周りの人はどう反応するか
などを客観的な視点で冷静には判断することが大事です。
ただ、ネットではこのように自分を律することが難しいのでSNSでのトラブルや炎上がいつまで経っても無くならないのでしょう。
全体としては、ネットだから大丈夫という考えは捨てて、ネットだからこそデータが残って危険だという事実に気づくことが重要です。
SNSでの失敗はデータ・スティグマタやデジタル・タトゥーとして、半永久的にネット上に残り続ける可能性があります。
スコアアップの方法その3. 決済などの金融面でのデータを増やす
そもそも「信用(クレジット)」とは金融業界でよく使われている概念です。
そのせいか、金融系の会社とデータ連携している信用力スコアリングサービスは多いです。
-
Alipay(アリペイ)とデータ連携している芝麻信用
-
クレジットカードの情報と連携しているアメリカのクレジットスコア
などが代表格でしょうか。
金融系の場合は
-
その人の購買能力
-
その人の支払い能力
-
その人の性格的な真面目さ
-
その人の将来の収入
などを判定するのに決済まわりのデータが活用されます。
決済に関しては、何でも現金で購入していてはデータとして残りにくいので、できるだけ信用スコアリングサービスと連携している
-
クレジットカード
-
キャッシュレス系決済サービス
などを利用して判断材料となるデータを蓄積することが大事です。
とはいえ、おそらく将来的には家計簿アプリのような
PFM(パーソナル・ファイナンス・マネジメント)
サービスを使って、現金決済でもレシートなどを通じて決済データを蓄積できるようになる信用力スコアリングサービスが登場する可能性は高いと思います。
買い物などでクレジットカード決済するときは注意
決済時の注意点として、もっとも気をつけたいのは支払いの遅延・未払いです。
支払うべきお金の、遅延や未払いは信用力をいちじるしく損ないます。
また、クレジットカードなどでモノを購入するとき、毎月クレジットカードの利用上限額ぎりぎりまで使っているのは良くありません。
毎月クレカの上限額ギリギリまで使い込むような人は、お金に関してルーズだと判定される可能性があるからです。
できれば上限額の半分程度の利用におさめ、範囲内で定期的に使うのが望ましいです。
後払いやツケ払いのサービスの支払いに遅れない
クレジットカードと似ていますが、
-
後払い
-
ツケ払い
などに該当するサービスを利用するときもm決済時の遅延がないようにする必要があります。
日本では後払い系のサービスが若者を中心にウケていますので、とくに若い方は注意しなくてはなりません。
いちど遅延などのデータが残れば、長期的に信頼スコアが低くなるなど、将来に悪影響を与えるかもしれません。
寄付や募金したお金が信用スコアアップにつながることもある
寄付先が特定の信用スコアとデータ提携・連携していることが大前提ですが、寄付によって信用スコアが上がる可能性があります。
社会的に意義のある団体に対してm寄付や募金をすることによって信用スコアが高くなるのであれば、アメリカとは異なる形で日本にも寄付文化が定着するかもしれません。
スコアアップの方法その4. シェアリングエコノミーのレビューで人柄を評価してもらう
シェアリングエコノミーに分類されるサービスは、CtoC(個人対個人)のやりとりが多く、相互に信頼することを前提にサービスが成り立っています。
お互いを信頼できるかどうかは「レビュー」と呼ばれる評価システムが大きな判断材料になります。
レビューには
-
1〜5個の星
-
文章
の両方が使われることが多く、評価が高ければ高いほどそのサービス内で信頼されるようになります。
どうやったらレビューで高く評価してもらえるのか
シェアリングエコノミーにおいて、やりとりをする相手から高く評価してもらえる行動をまとめます。
-
礼儀正しくふるまう
-
相手のことを気遣った言動をする
-
割引交渉などはできるだけしない
-
時間などの約束事はしっかり守る
つまりお客と店員のような立場ではなく、お互い対等な人間同士なので、相手のことを気遣って行動すれば良いということです。
もちろん、やりとりする相手にはいろいろな人がいます。
だから、多少は相手にあわせて変える必要がありますが、基本的なことは変わりません。
相手のことを思いやって行動をすれば良いだけです。
スコアアップの方法その5. シェアリングエコノミーやレンタル系サービスを正しく利用する
-
シェアリングエコノミー
-
レンタル系サービス
などを利用して、モノや空間をシェアしたとき、利用したモノや空間を雑に扱うと自分以外の人に迷惑をかけることになります。
ただ迷惑をかけるだけでなく、自分の評判を落とすかもしれません。
なので、
-
シェアで使うものは大切に扱う
-
レンタルしたものはできるだけレンタル時と同じ状態で返す
などの行為は自分の人柄・性格を伝える情報になり、スコアが高くなる可能性があります。
正しく利用すれば高く評価される
シェアリングエコノミーやレンタル系サービスを正しく使えば、きちんとした人として他の利用者にレビュー等で評価してもらえるかもしれません。
これは、
「スコアアップの方法その4」
の
「シェアリングエコノミーのレビューで人柄を評価してもらう」
と重複するので説明は省きます。
スコアアップの方法その6. ボランティアに積極的に参加する
寄付や募金と同じく、ボランティアも信用スコアと提携・連携していれば参加するだけで信用スコアに良い影響を与える可能性があります。
信用スコアと連携しているようなボランティアはネットから募金できるでしょうから、寄付や募金をするならネットからした方が記録が残るというメリットがあります。
スコアアップの方法その7. 特定の信用力スコアリングサービス用にデータを集中させる
ここまで読んだ方は、スコアアップにはデータが重要だと理解していると思います。
信用力スコアリングサービスはデータ取得のために自社でデータを取得できるサービスを運営したり、提携するサービスからデータを受け取ります。
そして、信用スコアは分析するデータが多ければ多いほど高くなる傾向があります。
だから、もし特定の信用スコアを上げたいと思っていたら、その信用スコアとデータ連携しているサービスを集中して使うのがおすすめです。
キャッシュレス決済サービスなら簡単
信用スコアを運営する会社は、だいたいキャッシュレス決済サービスを運営しています。
これは、決済データが信用スコア分析の核になる存在だからです。
ということは、特定の信用スコアを上げたいと思ったらその会社が運営するキャッシュレス決済サービスを使えば提供するデータが増え、信用スコアが上がる可能性が高くなります。
どの会社がどんな信用スコアを運営しているかについては下記のリンク先から確認してください。
信用スコアが絶対に上がる方法はない
ここまで、信用スコアを高くする方法を説明してきました。
ですが、これらを実践しても絶対に信用スコアが高くなるというものではありません。
すべて実践しても信用スコアが下がる人もいるでしょう。
信用スコアはデータ同士の相関関係なども分析するので、スコアダウンと関係が無さそうなデータが実は信用スコアに悪影響を与えていた、なんてこともあり得ます。
信用スコアがスコアアップすると、様々なメリットが発生します。
だから、スコアアップをネタにして悪どい商売をする人が将来必ず現れるでしょう。
もし信用スコアの専門家やコンサルタントなどと名乗る人から
「このアプリに登録したら100%信用スコアが上がる」
などの誘惑を受けたら、それに乗らずにしっかりと拒否しましょう。
というのも、信用スコアを運営する会社の中の人ですら100%確実に信用スコアが上がる方法は知らない可能性があるからです。