日本版芝麻信用になれるか?yahoo!(ヤフー)による信用スコアの仕組み

yahoo!(ヤフー)の信用スコア

中国のアリババグループによる信用スコア事業

「芝麻信用」

の現地での大成功は日本企業の経営者にとても響くものがあるらしく、有名なIT・ネット企業が個人の信用格付け事業への参戦を表明しています。

しかし、日本と中国では社会ルールや国民性に大きな違いがあります。

なので、芝麻信用を完璧に模倣して日本でサービスを開始することはとても困難です。

そんな状況ですが、検索エンジンで有名なyahoo!が信用スコア事業への参戦を表明しました1)https://www.sankeibiz.jp/business/news/181011/bsj1810110500003-n1.htm

yahoo!は日本で中国の芝麻信用並に普及する信用スコア事業を作れるのでしょうか。

保有するデータ量から見たら日本で最も成功に近い会社がyahoo!ではないのか、とも考えられます。

この記事ではyahoo!(ヤフー)の信用スコアの仕組みについて確認できている範囲で解説をしたいと思います。

信用スコアについての知識がない方はあらかじめ下記のリンク先で確認しておくと理解しやすいはずです。

個人の情報(パーソナルデータ)を使って信用スコアを算出するサービスが増加しています。この記事では「信用スコア」について初心者向けに説明したのち、日本や海外の信用力スコアリングサービスを紹介します。

なぜyahoo!が信用スコア事業に参入したのか

信用スコア

yahoo!の運営する信用スコアの仕組みについて解説をする前に、なぜyahoo!が個人向けの信用スコア事業に参入したかを考えます。

あくまでも憶測でしかありませんが、ときには社会から大きな批判を受けるであろう信用スコア事業へ参入するからにはそれなりの勝機があるはずです。

ヤフーには膨大なデータが眠っている

「データは新しい時代の石油だ」

という有名な言葉があります。

これは、現代においては保有するデータを様々なビジネスに活用することによってお金が生まれやすい状態になっていることの比喩です。

この点、ヤフーは非常に長期間にわたって運営されており(Yahoo! JAPANの開始は1996年の4月から)、膨大な量のデータがネットから収集&蓄積されています。

データの例をいくつか挙げると

  • Yahoo!ショッピングやヤフオク利用者の購買履歴

  • yahoo!での検索履歴

  • yahoo!でのニュース閲覧履歴やコメント履歴

などがあり、しかもこれらは利用者個々に付与されたyahoo!のIDにひもづく形でデータが残ります。

これは個人の趣味嗜好や信頼性を判断して信用スコアを算出するにあたってとても重要なデータとなり、他社企業と比較するとかなりの優位性を持っています。

芝麻信用を運営するアリババグループとの関係性

世界最大の信用スコアサービスの芝麻信用は芝麻信用管理有限公司によって運営されています。

そして、芝麻信用管理有限公司は阿里巴巴集団(アリババグループ)の子会社である螞蟻金融(アントフィナンシャル)のグループ企業です2)アントフィナンシャルは以前は「支付宝(Alipay:アリペイ)」という名前でした。

なのでシンプルに芝麻信用はアリババ系だと考えて良いと思います。

アリババの大株主は日本のソフトバンクで、ソフトバンクはyahoo!の大株主でもあります。

つまり、芝麻信用を運営するアリババから直接色々な話を聞ける関係性であるということです。

中国版クレジットスコアとして広く普及している「芝麻信用」についての概要と仕組みについての情報です。個人の信用力をスコア化するサービスについて初歩的な知識を得たい方におすすめの記事です。

ソフトバンクとみずほ銀行のJ.Score(ジェイスコア)

yahoo!の親会社であるソフトバンクとみずほ銀行は共同で株式会社J.Scoreを作り、日本初のAI・スコアレンディングを開始しています。

AI・スコアレンディングとはAI(人工知能)で個人の信用力をパーソナルデータの分析をもとに数値化し、その数値によって貸付条件が変動する融資方法です。

簡単に言えば信用スコアの数値が高くなれば融資の条件も良くなり返済がしやすくなる、ということです。

J.Score(ジェイスコア)は2017年にサービス開始した新しいサービスですが、積極的な広告展開等によって知名度は高くなっています。

ヤフーとJ.Score(ジェイスコア)はサービスの連携もしていますので、J.Score(ジェイスコア)の成長がヤフーへの刺激になったのかもしれません。

条件的には整っている

個人の情報は全然知らないような会社ではなくて信頼できる会社にしか預けたくないと考えるのが普通です。

信用スコアは個人のパーソナルデータを扱うので、知名度の無い企業は参入が難しいです。

この点でヤフーは日本で最大級のWEBサイトを運営しており、誰でも名前を知っている巨大サービスを運営しています。

さらに、

  • 膨大な量のデータを既に保有しているし今後も継続的にデータの収集ができる

  • 先行する信用スコアサービスから情報を得ることができる

という条件が揃っているので、他社よりも優位性があるのは間違いありません。

個人的には参入する条件がかなり揃っているのではないかと考えています。

ヤフーによる信用スコアの仕組み

決済データ

ここからはyahoo!の信用スコアの仕組みについて解説します。

既に説明した部分と被る部分がありますが、サービスの核になるのはyahoo!が収集してきたyahoo!のID(Yahoo! JAPAN ID)にひもづく膨大なデータです。

なので、利用者は自分のYahoo! JAPAN IDに対して信用スコアが付与されることになります。

ただし、信用スコアの計算は利用者の同意がない場合は行われません。

信用力の数値化に抵抗がある方は同意しなければ良いだけです。

信用スコアの数値について

まず、信用スコアの数値についてです。

ヤフーの信用スコアは最大100となっており、数値が高ければ高いほど信用力が高いことを意味します。

中国の芝麻信用は最大が950点ですが、信用スコアが800点以上の人はほとんどいないとされています。

なので、ヤフーでも85点前後よりも高い信用スコアを得られる人はごくわずかになるかもしれません。

信用スコア分析に使われるデータ一覧

信用スコアはパーソナルデータを分析することによって数値化されます。

ヤフーの場合は分析に使用できるデータが豊富で、Yahoo! JAPAN IDにひもづいていることを条件に

  • ネット通販の購入履歴(Yahoo!ショッピング等)

  • 中古品オークションの購入や販売の履歴(ヤフオク等)

  • ニュースの閲覧履歴(Yahoo!ニュース)

  • 検索エンジンで検索した履歴(Yahoo!検索)

などの保有データが使われます。

ただ、Yahoo! JAPAN IDは誰でも作れますので、もし自分の信用スコアが気に入らないのであれば別のアカウントを取得してやりなおすなどの方法も可能になりそうです。

信用スコア提供先となる提携企業一覧

ヤフーは自社に蓄積されたデータをもとにIDごとの信用スコアを作成します。

そして、その信用スコアは外部企業によって活用されます。

というのも、信用スコアは提携先となる外部企業にも提供され、外部企業は利用者の信用スコアに応じて個別化(パーソナライズ)されたサービスを提供するからです。

信用スコアの本来の役割はここにあり、個別化されたサービスを提供するための仕組みなのです。

ちなみに、信用スコアの提携企業への提供は信用スコアの作成と同じく利用者の同意を前提として提供します。

ヤフーの場合は外部企業として

  • アスクル株式会社

  • 株式会社イーブックイニシアティブジャパン

  • 株式会社カービュー

  • ソフトバンク

  • コスモ石油マーケティング

  • OpenStreet株式会社

  • 株式会社一休

  • 一般社団法人シェアリングエコノミー協会

  • 株式会社ガイアックス

  • 株式会社TableCheck

  • パスレボ株式会社

  • バリューコマース株式会社

  • 福岡ソフトバンクホークス

などとまずは実証実験をします3)いよいよ日本で「信用スコア」をめぐる覇権争いの幕開けか?ヤフーが参入を発表より抜粋。

よくよく見るとこれらの企業のほとんどはyahoo!と資本関係がある企業なので、おそらくこれから本格的に外部の提供先を募集したり探したりするのだと思います。

決済(PayPay)が成功すればいよいよ日本版芝麻信用が登場か

アリババ(アリペイ)が信用スコア事業で成功したのは、ただ膨大なデータを保有していたからでなく、人々の趣味嗜好を分析するのに最適なキャッシュレス決済データを保有していたからだと考えられます。

日本ではキャッシュレス決済系サービスは増加していますが、各社がシェアを分け合っている状態です。

これが携帯電話のような3強状態くらいに落ち着けば、この中に食いこめた会社は膨大な決済データを手に入れることができます。

yahoo!は「PayPay(ペイペイ)」という決済サービスを展開しています。

ヤフーが決済ビジネスで成功するかどうかはわかりませんが、もし成功したら

  • 個人の検索履歴

  • ネットとリアルでの購買データ

という人の欲望と強い関連性のあるデータを手に入れることができます。

このようなデータはどんな企業でも欲しがるものですから、ヤフーはまさに新しい石油を独占できるようになるかもしれません。

もし独占できれば

日本版芝麻信用≒ヤフー

となる日も近そうです。

脚注・引用   [ + ]

1. https://www.sankeibiz.jp/business/news/181011/bsj1810110500003-n1.htm
2. アントフィナンシャルは以前は「支付宝(Alipay:アリペイ)」という名前でした。
3. いよいよ日本で「信用スコア」をめぐる覇権争いの幕開けか?ヤフーが参入を発表より抜粋。
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