出会い系アプリやマッチングアプリの影響で性病にかかる人は増えているのか?

むこう1年間であなたが性病(せいびょう)にかかる確率は4%以上です。
こう言われたら怖いですよね?
けど、世界中の人が年間で性病にかかる確率は4%以上あるのです。

WHO(世界保健機関)の発表によると、毎日約100万人があたらしく性病に感染しているそうです[1]BBC:One million new STIs every day, says WHO
国連によると、2019年の世界の人口は約85億人です[2]国際連合広報センター:世界人口推計2019年版:要旨 10の主要な調査結果(日本語訳)
世界中の人が、今日性病に感染する確率は0.01%あるのです。
年間になおすと、4.29%です。
つまり、性病はインフルエンザくらい身近な病気なのです。

日本でも、性病に感染する人が増えています。
男性の草食化や未婚・晩婚化がすすむこの時代に、なぜ性病にかかる人が増えているのでしょうか?
じつは、性病感染者が増加している原因は出会い系アプリやマッチングアプリの流行ではないか?と考えられるようなデータがあります。

この記事では、
出会い系アプリやマッチングアプリと性病の増加がどのような関係があるのか?
これを解説します。

出会い系アプリやマッチングアプリをつかって次々とパートナーを変えている人はぜひ読んでください。
意外と怖いことをしているのかもしれませんよ。

世界中で性病に感染する人が増えている

1年間で人が性病に感染する確率「4.29%」は、驚くほど高い数字です。
しかし、この数字はこれからさらに増えるかもしれません。
日本ではあまり話題になりませんが、世界中で性病に感染する人が増えています。
まずは、日本と海外の性病の状況をかんたんに見てみましょう。

日本では梅毒の感染者数が7年間で8倍に増えた

日本で感染者数がめだって増えている性病は「梅毒」です。
2012年から2018年までの患者数の増加は、約8倍です。
7年間でこれだけ増えるのは普通ではありません。

梅毒の感染者数推移

「梅毒(ばいどく)」は昔からある性病です。
歴史上の人物などがおおく感染した病気で、性病の中ではわりとメジャーです。
江戸時代が舞台の人気ドラマ「JIN-仁-」は見たことがありますか?
中谷美紀さんが演じた「花魁(おいらん)の野風」が感染した性病が梅毒です。
ドラマの中では「ペニシリン」という抗生物質をつかって、彼女の治療をおこないましたね。
ちなみに、いまでも抗生物質を利用した性病治療はおこなわれています。

厚生労働省が発表している「性感染症報告数の年次推移」によると、2012年の梅毒の患者数は年間875人でした。
これが、2018年には7,001人になっています。
約8倍です。
ものすごい増加率ですね。
性病に感染しても通院していない男女がいることから、じっさいはもっと患者数は多いはずです。

アメリカのロードアイランド州では梅毒や淋病等が増加

アメリカのロードアイランド州では、2013年から2014年の一年間で複数の性病で感染者数の増加がみられました。
患者数が増えている性病を整理すると

  • 梅毒:79%
  • 淋病:33%
  • HIV:30%

となっています[3]RI.gov:HEALTH Releases New Data on Infectious Syphilis, Gonorrhea, and HIV

イギリスでも梅毒と淋病が増加

海外は、イギリスの状況を見てみましょう。

イギリスでは2013年から2014年の一年間で、梅毒だけでなく、淋病も感染者数が増えています。
イギリスでは、2013年から2014年の間に、梅毒の感染者数が14%増えました。
おなじく2013年から2014年の間に、淋病という性病の感染者数は33%も増加しました[4]ITmedia | 出会い系アプリで性病患者が増えている? 英医師協会が警告
淋病も梅毒と同じく、メジャーな病気で、日本でも感染する人は多いです。
イギリスでは梅毒と淋病のどちらも、感染者数が大きく増加しています。

性病の増加は出会い系アプリやマッチングアプリの影響?

ここまで、日本と世界の性病感染の状況を確認しました。
次は、

  • 性病感染者数の増加
  • 出会い系アプリ・マッチングアプリの利用者数の増加

についてです。
データを比べると、やはり関係があるのでは?と思います。

出会い系アプリやマッチングアプリは2012年頃から増加

2010年ころを思い出してください。
電車や街中でスマホを見ている人はいましたか?
ほとんどの人はガラケーだったと思います。
もちろん、まだLINEもありませんでした。

スマートフォンの利用者数は、2010年から2012年にかけて大きく増えました。
総務省の発表によると、2010年に9.7%だったスマホの普及率は、2012年には49.5%になっています。
今では信じられませんが、2012年ころまではガラケーの方がメジャーだったのです。

スマホゲームのパズドラがはじまったのは、2012年の2月です。
マッチングアプリが登場したり、出会い系サイトが出会い系アプリに対応しはじめたのは、2011年〜2012年ころからです。
スマートフォンの利用者が増えた結果、優良出会い系サイトを運営する会社は、2012年前後に続々と出会い系サイトの出会い系アプリ版をリリースしました。
日本初のマッチングアプリ「Omiai」がリリースされたのは2012年です。
日本で最も会員数が多いマッチングアプリ「Pairs」も2012年にサービスをリリースしています。

スマホに関しては、2012年ころが分岐点になっていることがわかります。

アプリの流行と性病増加のタイミングは似ている

スマホアプリの流行は2012年ころから始まっています。
日本の性病増加数に戻りましょう。
日本の梅毒の患者数が急増しはじめたのは、2012年です。
出会い系アプリやマッチングアプリが流行した時期は、性病に感染する人が増えはじめた時期(2012年)と一致しています。
「googleトレンド」で人気マッチングアプリ「Pairs」「Omiai」の検索数を調べても、2103年頃に急に増えていることがわかります。
これは偶然なのでしょうか?

Pairs・Omiaiのgoogleトレンド推移

出会い系アプリやマッチングアプリは、性病感染者数増加の直接的な原因ではありません。
というのも、性病に感染するきっかけは「セックス」であることが多いからです。

アプリを使えば、かんたんにデート相手が探せる時代です。
出会い系アプリやマッチングアプリが普及したことで、男女が出会いやすくなったのは事実です。
男女が出会いやすくなり、性的なコンタクトを取る回数(セックスする回数)が増えた可能性があります。
だから、

  • 出会い系アプリ
  • マッチングアプリ

などにより性病に感染する人が増えたのではないか、と考えることもできます。

アメリカではSNSが原因では?と指摘されている

アメリカのロードアイランド州で性病感染者数が増えていることは、前節で説明しました。

ロードアイランド州の保健省は性病感染者が増えている原因として、SNS(マッチングアプリや出会い系もSNSにふくまれます)をきっかけとした

  • 軽くて、頻繁なセックス
  • コンドームなしのセックス
  • お酒に酔っ払いながらのセックス
  • 複数のセックスパートナーがいる

などを挙げています[5]RI.gov:HEALTH Releases New Data on Infectious Syphilis, Gonorrhea, and HIV
要は、不特定多数とのコンドームなしのセックスが原因だ、とういことですね。

性病と出会い系アプリやマッチングアプリの関係

ここまで性病と

  • 出会い系アプリ
  • マッチングアプリ

の関係性を見てきましたが、関連性はありそうだけれど、断言できるほどのデータはありません。

これからもアプリを使って出会う男女は増えるはずです。
なので、これからデータがどのように変化するか、これに注目したいと思います。