LINEは、2019年6月27日から自社の信用スコアサービス
「LINEスコア」
をはじめました。
信用スコアはパーソナルデータを分析することにより、個人の信用力を数値化してくれるサービスです。
しかし、日本では大成功と呼べる事例は、少なくとも2019年8月時点ではゼロです。
では、なぜLINEは日本での普及が未知数の、信用スコア事業へ参入するのでしょうか。
LINEは、無料の通話・チャットアプリとして日本で圧倒的なシェアを誇ります。
しかし、日本国内でのユーザー数の劇的な伸びはもう期待ができません。
さらに、サービス開始当初から売り上げの大部分を担っていた
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ゲームアプリ
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スタンプ
なども、これからの伸びがそれほど期待できない状況です。
このような状況のなか、LINEが他企業と資本や業務提携などをしながら積極的に参入しているのが
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キャッシュレス決済
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資産運用
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保険
などの、「Fintech(フィンテック)」「InsurTech(インシュアテック)」などと呼ばれる金融ジャンルです。
そして、金融系の売り上げを伸ばすための力強いエンジンとなりそうなのが、LINEスコアです。
この記事では、
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LINEスコアの全体的な仕組み
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LINEスコアを利用できる提携サービス
などを、解説したいと思います。
このページの目次
LINEスコアとは?どんな仕組みの信用スコアなのか
まずは、LINEスコアの仕組みについて解説したいと思います。
LINEスコアは、
「信用スコア」
と呼ばれるサービスのLINE版です。
すでに説明した部分と重複しますが、信用スコアは個人の信用力を数値化してくれます。
この記事はLINEスコアに関する記事なので、信用スコア自体については詳しく説明をしません。
なので、信用スコア自体についてより詳しく知りたい方は下記のリンク先を読んでください。
信用スコアを利用することのメリットも解説しています。
ちなみに、信用スコアサービスはLINE以外にも
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Yahoo!
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NTTドコモ
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メルカリ
などが参入もしくは参入予定で、IT・ネット業界からかなり注目されている分野です。
LINEスコアはLINE利用者しか作成できない
LINEスコアを作成できるのは、LINEの利用者のみです。
しかし、LINEのヘビーユーザーである必要はありません。
なので、もしLINEを利用したことが無い人がLINEスコアに興味を持った場合、LINEをダウンロードして登録すればLINEスコアを作成可能になります。
同意のもとにスコアは作成される
LINEスコアは、LINEの利用者すべてに対して作成されるものではありません。
利用者が同意しない限り、スコアは作成されないようになっています。
不安を感じたりする人はスコア作成に同意しない、もしくは作成を拒否すれば良いだけです。
チャットアプリとしてのLINEの利用者に対して、強制的に信用スコアが付与されたりするものではありません。
LINEは日本で株式を上場している企業ということもあり、しっかりとした倫理観のもとで運営されています。
LINEスコアはどうやって作成されるか?
では、LINEスコアはどのように作成されるのでしょうか。
これはとてもシンプルで、LINEスコアは、
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AI(人工知能)
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パーソナルデータ
この両者の組み合わせによって作成されます。
具体的に言うと、LINEのアプリ上から
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LINEが用意している質問に回答する
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LINE関連サービスを使う
などの行動をし、集まったパーソナルデータをAIが分析して数値化されます。
LINEスコアからの質問内容や利用するデータについては、下記のページで詳しく解説しています。
スコア算出に使うデータの補足
LINEスコアはデータを分析することによって作成されると説明しました。
この仕組みだと、分析の精度はデータが多ければ多いほど高くなるはずです。
なので、LINEは今後さまざまなデータをLINEスコアの分析に使用すると思うのですが、
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LINEでの通話内容
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LINEのチャット履歴
などのデータはスコアの分析に利用しないと公式発表しています。
かなりナイーブなデータなので、ユーザーのプライバシーを配慮したのでしょう。
おそらくネット上では
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チャット履歴がスコア分析に使われる
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LINEの通話内容は盗聴されスコア分析に使われている
などのデマが流れると思いますが、これらはすべて根拠がないものです。
よって信用してはいけません。
キャッシュレス決済データなども使われる可能性がある
ここまで紹介したデータ以外にも、将来的にはLINEが運営するキャッシュレス決済アプリである
LINE Pay(ラインペイ)
での決済データも追加されると思います。
やはり、個人の信用スコア分析においてキャッシュレス決済のデータは肝となります。
決済データの重要性については、中国の大人気信用スコア「芝麻信用」が証明しています。
さらに、LINEが新規サービスとして展開もしくは展開予定の
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LINEほけん:健康や疾病状況のデータ
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LINE家計簿:家計簿のデータ
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LINEスマート投資:投資傾向や資産状況のデータ
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LINE BANK(LINEによる銀行):預貯金データ
などの各サービスも、順調にサービスが伸びれば様々なデータが手に入ります。
これらのデータを信用スコアに使わない手はないので、利用者の同意のもとに信用スコアの参考データとして扱う可能性があります。
LINEスコアの数値は100~1000点の間
話をデータ以外の部分に戻します。
次は、LINEスコアの数値についてです。
LINEスコアの数値は
100~1000
この間で推移します。
数値に関しては、高ければ高いほど信用力が高いことを意味します。
なお、数値は定期的に更新されます。
ユーザーの平均スコア等は不明ですが、他の信用スコアサービスの動向から推測すると、平均的な利用者はスコアが600点前後になると思います。
LINEスコアの提携サービスとメリットについて
LINEスコアに限らず、信用スコアは提携するサービスでスコアを活用することがメインの目的です。
信用スコアが高いことによって友達に自慢したりすることもできますが、それはメインの目的ではありません。
もし信用スコアが高ければ、連携しているサービスを優遇された条件で利用できます。
ここからはLINEスコアが提携しているサービスと、信用スコアが高いと連携サービスにおいてどのようなメリットがあるかを簡単に解説します。
個人向けローン「LINE Pocket Money(ラインポケットマネー)」
LINEは、子会社のLINE Credit株式会社を通して、個人向けのローン(融資)サービスである
LINE Pocket Money(ラインポケットマネー)
を2019年夏頃にリリースする予定です。
LINE Pocket Moneyは、融資の申し込みや審査などがすべてアプリ上で完結する融資サービスです。
融資において、お金の借り手の信用力の判断はとても重要なことです。
LINE Pocket Moneyは信用力の判断で、LINEスコアの数値を活用します。
もちろん、LINEスコアだけでなく消費者金融やクレジットカードでおなじみの、信用情報機関の情報も参照します。
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信用スコアのLINEスコア
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信用情報機関の信用情報
これらを組み合わせて、より精度の高い信用力分析をしよう、ということです。
信用スコアと融資の組み合わせについては、LINE Credit株式会社の提携先のみずほフィナンシャルグループが日本初のAIスコア・レンディングである
J.Score(ジェイスコア)
を開始しており、すでに信用スコアの融資への活用方法についてのノウハウがありそうです。
LINEスコアが高いとLINE Pocket Moneyでどんなメリットがあるのか?
LINEスコアが高いと、LINE Pocket Moneyにおいてどのようなメリットがあるのでしょうか。
LINE Pocket Moneyにおいて、信用スコアが高いことはその人の信用力が高いことを意味します。
つまり、信用スコアが高い人は高確率でお金の返済を期待できるよい借り手、ということです。
なので、LINE Scoreの数値が高いとスコアが低い人と比べて
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貸付利率(年率)が低い
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利用可能額が高い
などが期待できます。
簡単にいえば、信用スコアが高ければ良い条件でお金が借りれる、ということですね。
これはとてもわかりやすいメリットです。
外部の提携サービス
紹介したLINE Pocket MoneyはLINEが運営するサービスです(正確に言うとLINE子会社のLINE Credit株式会社)。
LINEスコアは自社サービス以外にも、さまざまなサービスと提携しています。
具体的には
などと提携しており、LINEスコアが高いユーザーは、これらのサービスを使うときにクーポンをもらえるなどのメリットが発生します。
※提携サービスは他にもあり、追加募集しているようなのでどんどん追加されるはずです
LINEスコアなどの信用スコアが高ければ良い生活ができる?
LINEだけでなく、日本ではたくさんの有名IT企業が信用スコアに注目しています。
そして、信用スコアが高ければ様々なサービスを良い条件で使えます。
ということは、信用スコアが浸透すれば様々な生活シーンで信用スコアを活用できる場所が増える、ということでもあります。
なので信用スコアが高くなるよう今のうちから努力していれば、あとあと様々な場所で活用できるかもしれません。