民泊で有名なAirbnbが創業されたのは2008年です。
配車アプリで有名なUberが創業されたのは2009年です。
どちらのサービスもアメリカ発の世界展開に成功しているサービスです。
両社ともに2019年現在では未上場ながら、会社の評価額は数兆円〜十数兆円規模となっており、創業から10年ほどの会社としては驚異的なスピードで企業価値を高めています。
日本では未上場の会社が1兆円を超えることはまずないので、この両社が世界のマーケットから極めて高く評価されていることがわかります。
AirbnbやUberは個人対個人(CtoC)での取引を仲介し、ジャンルとしては
シェアリングエコノミー
と呼ばれるサービスです。
日本でも2010年代になってから「これからはシェアリングエコノミーだ」と大いに注目され、たくさんの企業が参入していますがいまいち盛り上がりに欠けています。
これは生活習慣や環境、さらには法律面での違いが原因だとされています。
シェアリングエコノミーを推進させる方法については政府でも議論が進んでいるようですが、普及させるのはなかなか難しいようです。
しかし、シェアリングエコノミーは一般的な経路ではなく別の経路からの普及が2019年に進むかもしれません。
この、「別の経路」とは
信用スコア
のことです。
信用スコアが社会に浸透したら、シェアリングエコノミーは今よりもはるかに普及するはずです。
このページの目次
なぜ信用スコアによってシェアリングエコノミーの普及が進むのか?
2019年は日本を代表する複数のネット系企業による個人の信用格付けサービスの開始され、2019年が「信用スコア元年」になるかもしれません。
信用スコアは私たちの生活を劇的に変えるサービスではありません。
それでも、良い方に変えることができるサービスだと思います。
では、なぜ信用スコアが浸透したらシェアリングエコノミーもそれにつれて普及するのでしょうか。
普及するであろう理由を挙げていきます。
信用スコアはパーソナルデータを分析して作成される
まず、簡単に信用スコアについて説明します。
信用スコアは個人の信用力を可視化した数値です。
そして、信用力はパーソナルデータを分析することによって数値化されます。
サービスによって違いますが、分析に使われるパーソナルデータは
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職業
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勤務先
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収入
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資格
-
性格・人柄
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能力
など多岐にわたります。
この中で、
性格・人柄
を分析するためのデータはシェアリングエコノミーで蓄積される評価データが重要視されます。
信用スコアの分析データ供給源としてのシェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーに分類されるサービスは個人対個人(CtoC)の取引を仲介しているサービスであることが多いです。
BtoC(企業対個人)での取引ではなく、見知らぬ個人同士なのでお互いの情報がゼロの状態では取引が成立しづらいです。
この問題を解決してくれるのが利用者に対しての
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レビュー
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評価
などのシステムです。
この仕組みがあるので、サービス内で取引をした場合、お互いに対して
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1〜5個の☆(星)
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文章
などで相手の人柄や対応能力を評価することが可能になります。
投稿された評価は他のサービス利用者でも閲覧可能で、取引をするたびに蓄積されていきます。
もしレビューで悪い内容が書かれていたらその情報(データ)が信用スコアに反映されますし、良い情報(データ)が書かれていたら良い方に反映されます。
このような個人に対しての個人からの評価データの供給源として、シェアリングエコノミー系のサービスは優れているのです。
個人の人格・性格を評価するようなデータはネット上になかなか存在しないことから、データの供給源としてシェアリングエコノミー系サービスは重宝されるはずです。
提携サービスとしてのシェアリングエコノミー
信用スコアとシェアリングエコノミーの関係はデータの供給源だけにとどまりません。
信用スコアには数値化された信用力を活用できる外部の提携サービスが用意されています[1]信用スコアサービスごとで提携サービスは異なります。。
この提携サービスにはシェアリングエコノミーが加わっています。
もし信用スコアが高い状態で提携サービスを使えば
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料金が割引される
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条件が良くなる
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デポジットが不要になる
などのメリットが発生します。
よって信用スコアを保有する人にとってシェア系のサービスを使いやすくなるのです。
プロフィールに信用スコアが表示される可能性も
シェアリングエコノミー系サービスではデフォルトで自分への評価がプロフィール画面に表示されていることが多いです。
これに追加して、もしサービスが信用スコアと連携していたらプロフィールに信用スコアの数値が表示可能になるかもしれません。
もし
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レビュー・評価
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信用スコア
の両方がプロフィールに表示されたら当然利用者は取引する相手を選ぶときにこれらの内容を気にするはずです。
となれば同じような内容なら評価と信用スコアが高い人の方が優先的に利用者から選択されるでしょうから、シェアリングエコノミーを利用しやすくなります。
サービス利用とデータ提供の良い循環が生まれる
シェアリングエコノミーを利用した結果生じる自分への評価データは提携している信用スコアで使われます[2]もちろん信用スコアでの利用は同意ありきです。。
そして、信用スコアは分析につかうデータ量が多ければ多いほど高くなるという傾向があります。
信用スコアが高ければシェアリングエコノミー系サービスにおいて他の利用者から信頼され、利用がしやすくなります。
ということは、
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シェアリングエコノミー系サービスを使うと自分の評価データが蓄積される
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評価データが高くなると信用スコアが高くなりやすい
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信用スコアが高いとシェアリングエコノミー系サービスを利用しやすい
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シェアリングエコノミー系サービスをどんどん使うようになる
という循環になります。
このような循環が生まれたらシェアリングエコノミー系サービスの利用者はどんどん増加するはずです。
よって、信用スコアが普及したら日本でもついにシェアリングエコノミーが生活に定着する可能性が出てくると考えられます。
信用スコアと連携しているシェアリングエコノミー
ここからは具体的にどの信用スコアとどのシェアリングエコノミーサービスが提携しているかを紹介します。
ただ、2019年7月現在はまだ日本で信用スコア系サービスがほとんどはじまっていません。
おそらく、今後連携サービスが増加するはずです。
Yahoo!スコアと連携しているシェア系サービス
ヤフーは2019年7月から信用スコアサービス「Yahoo!スコア」を開始します。
シェアリングエコノミー系の提携サービスは
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OpenStreet株式会社:シェアサイクルの「HELLO CYCLING」
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ランサーズ株式会社:クラウドソーシングの「ランサーズ」
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株式会社クラウドワークス:クラウドソーシングの「クラウドワークス」
などが発表されています。
おそらくですが、今後はさらにYahoo!スコアと提携するシェア系サービスは増えるでしょう。
LINEスコアと連携しているシェア系サービス
LINEスコアは2019年6月に開始しています。
LINEスコアの場合は、連携というか、LINEが定める一定の条件を満たせば連携サービスからクーポン等を受け取ることができます。
LINEスコアと連携、もしくは連携を予定しているシェアリングエコノミー系サービスは
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Anyca(エニカ)
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Laxus(ラクサス)
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subsclife(サブスクライフ)
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Airbnb(エアビーアンドビー)
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KARITOKE(カリトケ)
などがあります。
CtoCのサービス全般で信用スコアは活用できる
信用スコアは、シェアリングエコノミー以外のCtoCサービスとも相性が良いです。
とくにマッチング系のサービスとは相性が抜群ですので、シェアリングエコノミー以外にもCtoC系のサービスとどんどん提携をするはずです。
となると、個人は信用スコアの数値を気にしなくてはなりません。
特別なことをする必要はありませんが、SNSなどのデータに残るような悪事は控えるべきでしょう。