クラウドソーシング大手のランサーズ株式会社が発表した
「フリーランス実態調査2018」
によると、フリーランスの経済規模は2017年は18.5兆円で、2018年には20兆円を超えるとされています[1]https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/wp.lancers.jp/lancers-corporate/wp-content/uploads/2018/04/04140355/269464679e0a122271ee5460afaa84be.pdf。
そして、フリーランスとして働く人の12%が仕事探しにクラウドソーシングを活用しているとのことです。
クラウドソーシングは18歳以上なら基本的に誰でも無料で登録できるので気軽に副業などをはじめられます。
しかし、クラウドソーシングを利用するメリットは手軽さだけではなりません。
メリットはたくさんありますが、最大の魅力は
「仕事の実績が個人の評価や信用力になる」
という点だと思います。
そして、クラウドソーシングを活用して個人の評価や信用力を高くすることには様々なメリットがあります。
このページの目次
履歴書はいらなくなる
新卒や中途の就職・転職活動において、どんな時でも必要になるのが履歴書です。
しかし、もしクラウドソーシングが今より普及したら履歴書は不要になるかもしれません。
履歴書が不要になったとき、履歴書の代わりに必要になるのはクラウドソーシング等のサービスのIDです。
もしくはクラウドソーシングのIDの上位に存在する、クラウドソーシングのアカウント登録に使ったSNS等のアカウントです。
プロフィールが履歴書の代わりになる
クラウドソーシングで働くワーカー[2]クラウドソーシングでの働き手に対しての呼び方はサイトによって変わります。は、登録者ごとにSNSのようなプロフィールページを持ちます。
プロフィールページには
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写真(任意)
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名前
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性別
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登録日
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本人確認の有無
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自分で書いたプロフィール
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経歴
などの他にもたくさんの項目の情報があり、ここで自分の経歴や得意なことや不得意なことをアピールすることができます。
なのでプロフィールページは履歴書の代わりになります。
スキルや経歴を細かく記載できる
プロフィールページには
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スキル
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経歴
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職種
なども細かく記載できます。
ここでもアピールしたい能力や経歴があれば細かく記載することができます。
従来の履歴書には職歴も記載できますが、履歴書だけでは情報が不足してるときは職務経歴書でくわしく仕事の実績を書くことができます。
職務経歴書もクラウドソーシングによって不要になる可能性があります。
細かい案件単位での受注実績と評価がわかる
クラウドソーシングでは、プロフィールページで
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そのサービス内で受注した仕事の実績
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受注した仕事へのクライアントからの評価
が確認できます。
これにより、クライアントがスキルや経歴を確認した上で実績を見れば社会人としての能力や経験を履歴書や職務経歴書以上に細かく把握できます。
特に仕事の実績とクライアントからの評価を見ればその人の能力をかなり細かい部分まで確認できます。
人の職種は
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営業
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デザイナー
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プログラマー
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SE(システムエンジニア)
などとシンプルに表現されることが多いですが、所属する会社や役職によってやることは違います。
なので履歴書だけを見ても
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その人がどのような仕事をしてきたか
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クライアントから評価されるような仕事をしきたのか
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本当にその仕事をしたのか
などの細かいことはわかりません。
クラウドソーシングの実績や評価は受注した案件ごとに与えられます。
そして、受注する案件はざっくりしたものでなく、かなり具体的に落とし込まれたものばかりです。
なので、クラウドソーシングでの実績を見ればその人の能力をかなり細かく把握することができます。
ちなみにクラウドソーシング大手のランサーズではプロフィールでポートフォリオの公開も可能です。
クラウドワークスでの受注実績と評価
受注実績と評価がプロフィール内でどのように表示されるかの例として、クラウドソーシング大手のクラウドソーシングでの表示を紹介します。
まず、クラウドワークスでは
受注実績の件数
の件数が大きく表示されます。
そして、過去の過去に受注した仕事へのクライアントからの評価が星1〜5個で総合的に表示されます。
評価は細かくは
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スキル(受)・要望(発)
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クオリティ
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スケジュール
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コミュニケーション
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パートナーシップ
このような項目がもうけられており、項目ごとに1〜5個の星でクライアントが評価してくれます。
さらに
作業承認率
という項目があり、作業承認率が高いと仕事の質が高い、もしくはクライアントが求めるものをしっかり納品していると判断することができます。
実績があり評価が高いと「信用力」が高くなる
クラウドソーシングで
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たくさんの受注した実績
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仕事に対しての高い評価
などを得ると、仕事への評価が「個人の信用力」に形を変えます。
信用力の定義は難しいですが、社会人としての信用力に限定すると
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人や企業が求める仕事をして報酬を得ることができる
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人間的に信頼ができる
このふたつが重要な要素になります。
クラウドソーシングでの高い評価はただ漠然と仕事をしただけでは得られません。
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クライアントときちんとやりとりできるか
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クライアントのメッセージに迅速に対応できるか
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納期を守ることができるか
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納品物の品質は高いか
などを総合的にクライアントに評価されます。
なのでクライアントから高く評価される人は
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お金を稼ぐ能力があり
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人間的にも信頼できる
とみなされ、結果として高い信用力を持つ、と判断されます。
評価や信用力が高いことによるメリット
クラウドソーシングで実績をつみ
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評価
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信用力
を高くすることには現実的なメリットがあります。
メリットその1. クライアントから仕事を発注してもらいやすくなる
クラウドソーシングといえど、企業が仕事を依頼する場合は仕事に対してのクオリティが求められます。
この点クラウドソーシングで高い評価を得ていると
「この人なら仕事のクオリティが高そうだ」
と判断され、コンペなどの時は仕事をもらえやすくなります。
もし実績がぜんぜん無い場合は実績や経験が無くてもよいが、その代わりに報酬も安い仕事を引き受けて徐々に実績を作るという方法もあります。
ただ、ここで報酬が低いからと適当に仕事をしては意味がありません。
良い仕事をしてクライアントに満足してもらい、高い評価をもらうと良い循環がうまれやすいです。
メリットその2. 報酬(仕事の単価)が上がりやすい
実績を積んで評価と信用力が上がると仕事の報酬が上がりやすくなります。
仕事の質が高くなれば報酬が上がるのは普通のことですが、現実は色々と難しいことが多いです。
しかし、クラウドソーシングのような個人が狭い範囲で成果が求められる場所では能力というか実績が高くなると報酬が上がりやすいです
ふつうに会社で正社員として働いていると
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昇格にともなう昇給
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ベア(ベースアップ)
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定期評価によるボーナス
などのタイミング以外ではなかなか給料は上がりません。
これらの給料アップにしても
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景気動向
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会社の業績
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社内政治
などに左右されるので確実性は高くありません。
この点クラウドソーシングでは自分の能力アップと給料アップは連動しやすくなります。
メリットその3. クラウドソーシング内で優良認定されることがある
特定のクラウドソーシングで実績と高い評価を積み重ねると、サービス独自の認定制度によって優秀な働き手と認定してもらえることがあります。
クラウドソーシング大手のクラウドワークスとランサーズではこの仕組みがあり、それぞれ
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ランサーズ:認定ランサー
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クラウドワークス:プロクラウドワーカー
という肩書きがつきます。
これらに認定は信用力の証明になり、クライアントも仕事を依頼しやすくなります。
クラウドワークスは一般のクラウドワーカーとプロクラウドワーカーの報酬をサイト内で比較しており[3]https://crowdworks.jp/lp/procrowdworker
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月間契約率は19%アップ
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契約単価:42%アップ
このように、プラットフォームに認定されることは金銭的なメリットがあることがわかります。
メリットその4. クラウドソーシングでの信用力を他のサービスでも活用できる
まだ連携はそれほど進んでいないようですが、クラウドソーシングサイトによってはクラウドソーシングとは全く関係がないサービスとも情報を連携することがあります。
連携するとクラウドソーシングでの評価や信用力が他のサービスでも活用できるようになります。
さいきんはシェアリングエコノミーの普及によって、個人間での取引が増えています。
個人間での取引においては相手が信用できるかどうかがとても大事です。
クラウドソーシングでの高い評価や実績があれば、それが個人間での信用力を測る材料として使うこともできます。
脚注・引用