2019年になり、
「信用スコア」
という言葉がメディア等で取り上げられる機会が増え、着実に社会に浸透しつつあるのを感じます。
けれど、信用スコアと関連性が高い融資方法である
「スコアレンディング」
は、信用スコアと比較するとそれほど言葉が浸透していないように感じます。
この記事では、信用スコアを活用した新しい融資方法であるスコアレンディングについて、借り入れを申し込む利用者目線からみた概要や仕組みなどを幅広く解説します。
既存の消費者金融・キャッシングと比較したりしながら解説しますので、新しい融資方法としてのスコアレンディングに興味がある方は参考にしてください。
このページの目次
スコアレンディングとは?融資の仕組みを解説
まずは、スコアレンディングの概要から解説したいと思います。
スコアレンディングは言語表現としては英語で、
-
Score(スコア)
-
Lending(レンディング)
となっており、英語での意味はそれぞれ
-
スコア=得点・点数
-
レンディング=貸し出す
このようになっています。
なので、スコアレンディングは点数のようなものを使って貸し出すものだろうと推測することができます。
では、「スコア」とは何を意味するのでしょうか。
「スコア」は「信用スコア」のこと
結論から言うと、スコアレンディングの「スコア」とは
「信用スコア」
のことです。
信用スコアは簡単に表現すると
「個人の信用力を可視化した数値」
です。
信用スコアについて興味がある方は下記のリンク先でご確認ください。
つまり、スコアレンディングとは信用スコアを活用したレンディング(融資)のことなのです。
オンラインレンディングの一種でもある
スコアレンディングについて補足します。
スコアレンディングは融資方法の一種で、大きな枠組みでは
「オンラインレンディング」
に該当します。
オンラインレンディングとは、オンライン(ネット)上から申し込みができる融資方法の総称です。
スコアレンディングと同じように、大枠ではオンラインレンディングに該当するような融資方法としては
-
トランザクション・レンディング
-
データ・レンディング
などがあります。
ただ、本記事はスコアレンディングについての記事なのでトランザクション・レンディングやデータ・レンディングについての解説しません。
既存の消費者金融との最大の違いは「信用スコア」
スコアレンディングは既存の消費者金融系の会社と比較して、なにが違うのでしょうか。
これについては似通った部分が非常に多いのですが、最大の違いはスコアレンディングの名称にもなっている「信用スコア」の存在です。
詳しくは後述しますが、信用スコアを与信に利用することによって、より高い精度で個人の信用力を算出することが期待できます。
個人向けだけでなく法人向けもある
スコアレンディングは個人向けのサービスだけでなく、法人向けのサービスもあります。
法人でも個人と同じく「信用スコア」が使われ、信用スコアの数値とその他データをもとに融資の可否や条件が算出されます。
お金を借りれるのは20歳からが基本
融資の対象となる年齢についてです。
スコアレンディングにおいて、融資対象となるので基本的には20歳からです。
いわゆる大手消費者金融と呼ばれる会社も20歳から融資を行うので、年齢制限についてはそれほど差がありません。
また、上限については70歳くらいとなっており、下限だけでなく上限も既存の消費者金融とほぼ差がありません。
スコアレンディング運営には貸金業の免許が必要
スコアレンディングは消費者金融と同じく、個人向け融資事業です。
なので、日本国内の貸金業の免許が必要となります。
貸金業の免許を持っていないの融資を行う会社や個人は、いわゆる「闇金」ですので絶対にお金を借りてはいけません。
ただ、まれに2社が
-
個人の信用力を数値化する信用スコアの部分
-
個人に融資を行う部分
このふたつの事業を分担することがあります。
この場合、貸金業が必要なのは個人向けに融資を行う会社のみです。
スコアレンディングで信用力の分析に使われる情報
個人向け法人向けに関わらず、融資における最重要事項は信用力の分析です。
信用力を正確に分析しないと、貸し倒れ等で融資元は甚大なダメージをこうむります。
そして、スコアレンディングにおいて信用力を分析するさい、重要な情報となるのは
-
属性情報
-
信用情報機関に登録されている信用情報
-
信用スコアの数値
この3つです。
スコアレンディングでは、おもにこの3つの情報を審査し、融資条件を決定します。
この3つについてそれぞれ補足します。
属性情報とは?
「属性情報(ぞくせいじょうほう)」とは、簡単に表現するとプロフィール情報のことです。
信用力を分析するさいに属性情報は欠かせません。
というのも、
-
年齢
-
職業
-
在籍企業
-
企業への在籍年数
-
会社での役職
-
収入
-
家族構成
などは、個人の返済能力を審査するうえで直接的に関係があるからです。
スコアレンディングを運営する会社は、自社で保有する統計データを参照しながら申し込み者の情報を確認し信用力を分析します。
信用情報とは?
信用情報は、日本国内の信用情報機関と呼ばれるサービスに登録されている情報のことです。
日本国内で法律にもとづいて貸金業を運営している会社なら、ほぼ100%の確率で信用情報機関に登録しています。
そして、融資の申し込みがあったら申し込み者の情報を信用情報機関に照会します。
信用機関に照会し、金融事故の情報があったら融資を受けるのは困難となります。
いわゆる、
「ブラックリスト」
に入っていると、スコアレンディングでも融資を受けることは難しいでしょう。
信用スコアの数値が高いと信用力も高い
最後に信用スコアについての補足です。
信用スコアは信用力スコアリングサービスに登録し、パーソナルデータを提供することによって測定可能となります。
スコアレンディングにおいては、信用力スコアリングサービスを運営している会社がスコアレンディングのサービスも運営していることが多いです。
なので、信用スコアを診断したらスムースに融資の申し込みが可能となります。
ここで、信用スコアの数値が高いと「信用力が高い」と判断され、良い条件で融資してもらえやすくなります。
ただ、注意したいのは
信用スコアが高い=良い条件で融資してもらえる
ということではなく、もし信用情報機関に傷があったりしたらいくら信用スコアが高くても融資は難しくなります。
スコアレンディングにおける融資の流れ
概要と仕組みをざっくりと把握した上で、スコアレンディングの融資の流れを説明します。
基本的には、既存の融資方法と比較して融資の流れはそれほど差はありませんが、念のため確認しておいてください。
まずは信用スコアサービスへ登録
スコア・レンディングで融資を受けたいと思ったら、まずは信用スコアサービスへの登録が必要です。
信用スコアサービスは下記のリンク先から確認できます。
一般的に、どの信用スコアサービスを選べば良いかは下記のリンク先で解説しています。
データを提供して信用スコアを算出
信用スコアサービスに登録しただけでは信用スコアは算出されません。
信用スコアはパーソナルデータを分析することによって数値化されるので、自分のデータを提供する必要があります。
とはいえ、データの提供は任意です。
なので、提供しても良いと思うデータのみを提供してください。
スコアを確認して融資申込み
信用スコアを作成したら、数値を確認してください。
確認するべきところは、信用スコアを作成したサービスにおいて、平均的な利用者の数値を自分が上回っているかどうか、です。
平均的な数値を上回っていれば、良い条件で融資をしてもらえる確率が高くなります。
自分の信用スコアを確認したら、次は融資の申し込みです。
融資の申し込みは所定のフォーマットに従って情報を入力するのみです。
だいたいがWEB上から申し込みできるので、審査時間はそれほどかかりません。
審査に合格したら融資可能
審査の結果が届き、合格していたらいつでも融資の申し込みが可能です。
ただ、融資金額が振り込まれるタイミングについては
-
融資に申し込んだ曜日
-
営業時間
などによって異なります、このあたりは申し込んだ金融機関に確認してください。
スコアレンディングはあくまで融資の一種でしかない
スコアレンディングは信用スコアを使った新しい融資方法です。
しかし、融資は融資です。
結局のところ借りたお金は返済しなくてはなりません。
返済するときは、とうぜん利息付きで返す必要があります。
なので、もしお金が必要になったら
-
家族や友人からお金を借りる
-
既存の消費者金融やカードローンでお金を借りる
-
銀行や郵便局でお金を借りる
などの方法も併せて検討してください。
そして、もっとも条件が良いものを選択するべきです。
というのも、必ずしも
スコアレンディング=融資条件が良い
とは限らないからです。