初対面でまったく知らない人と会うとき、人は無意識のうちに相手の
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髪型
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目つき・顔つき
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服装
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体型
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(あいさつの)話し方
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仕草
などの情報をもとに相手がどのような人物かを判断(評価)しています。
おもに自分の目と耳から入る情報から判断していることがわかります。
しかし、これらはすべて個人の
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目(視覚情報)
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耳(聴覚情報)
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脳(記憶をふくむ)
などの器官を通じて得た主観的な情報で、なおかつ最終的には人が判断します。
共通の知人からの紹介や口コミ的な事前情報があれば別ですが、自分の感覚器官から得た情報を自前の脳を使い判断しているのです。
人の見方は多種多様ですし、どんな人でもその人個人に紐づく情報をすべて他者が把握することは不可能です。
そもそも最終判断を下す脳ですら
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その日の体調
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その日の気分
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判断を下すときの環境
などによって機能が変化します。
よって完璧な判断どころか、得た情報をもとにして客観的に判断することすら人間には難しいのです。
この人間の弱点を補完するサービスが
「信用スコア」
など、個人の信用力を数値で可視化・格付けしてくれるサービスです。
このサービスでキーになるポイントは
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AI(人工知能)
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パーソナルデータ
です。
このページの目次
AI(人工知能)が個人の信用力をスコア化する
人は初対面の相手を見るとき、自分の視覚や聴覚などの感覚器官をつかって情報を得ます。
しかし、これらはすべて人の感覚器官を通して得た主観的な情報なので、見る側独自のバイアスがかかります。
というのも、人は目の前に情報に対して自分の過去の記憶と照らし合わせて相手を判断するからです。
つまり、同じ情報を見ても個人によって保有している記憶内容が異なるので、同じ情報でも捉え方が異なるのです。
なので客観的に人を評価・判断することはとても困難です。
しかし、人間のこの欠点をAI(人工知能)が補ってくれます。
AIなら客観的に情報を判断できる
AI(人工知能)は人ではなく、機械的に情報を判定するプログラムです。
基本的に、信用スコアはAIによって判定されます。
「なぜ人がプログラムによって評価されないといけないのだ?」
と反感を覚える方もいると思いますが、AIには
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感情をはじめとした主観がない
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だから客観的に人を判断できる
というメリットがあります。
AIなら客観的に、そして公平に人を評価してくれます。
これは人間同士だと実はとても難しいことです。
社会人として仕事をする方は人事評価などで人による評価の不公平さや理不尽さを感じたことがあると思います。
このような不公平・理不尽さはAIによる評価に関してはありません。
AIは早いし疲れない
信用スコアサービスがもし日本に普及したら、運営会社は毎日たくさんの人の信用力を分析しなくてはなりません。
そして、信用力は時代の変化によって随時更新されるので、常に信用力の分析をしている状態になります。
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数百万人〜数千万人の利用者の信用力を信用スコアで数値化する
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そして利用者の信用スコアを適宜更新する
このような作業は人間には向きません。
もし金融機関などで個人向けの信用力審査の勤務経験がある人がたくさんいたとしても人が全く足りません。
信用力の分析にとんでもない時間がかかりますし、すぐに疲弊して職場崩壊するでしょう。
このような機械的な連続作業は人よりもAIの方が間違いなく向いています。
AIなら膨大なデータを収集・分析が可能
AIは人と比較すると
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処理できるデータの量が多い
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継続的にデータを収集して処理することが得意
という特徴があります。
人の信用力を分析するさい、分析に使えるパーソナルデータは多ければ多いほど精度が高まるとされています。
この点、AIにとって膨大なデータの処理は得意分野です。
よって人間では分析が難しいような膨大な量のデータを効率よく処理することが期待できます。
このように、AIは信用スコアを作成するのにとても向いていることがわかります。
AIと信用スコアについて説明したので、次はもうひとつのポイント
パーソナルデータ
について説明します。
信用力の可視化・格付けの材料になるのはパーソナルデータ
AI(人工知能)が信用スコアを判断する根拠となるのは個人にひもづいたデータ、パーソナルデータです。
そして、重要なのは電子的な情報(データ)としてサーバー上に保存することが可能なデータです。
基本的にはデジタルデータとして保管できる情報が信用力の判断材料となります。
信用スコアを運営する会社によって収集・分析可能なデータが異なりますが、一般的に個人の信用力を判定するのに重要な要素となるデータを挙げます。
信用スコアを高くしたいと考えるのであれば、これから挙げる内容を意識することが重要になります。
パーソナルデータを増やす
AIが人の信用力を分析するにあたり、判断の材料になるのはパーソナルデータです。
人間でもAIでも、他者の信用力を判断するのに使うのは情報ということですね。
だから、情報がゼロだと人だろうとAIだろうと他者の信用力の判断ができません。
ということは、人は生活の中でデータとして残る情報を蓄積しないと信用スコアに反映させることができない、ということです。
なので、意識してネット上に自分の
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学歴・経歴
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性格
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能力
などがわかるようなデータを残すと良いと思います。
TwitterやFacebook、さらにはLinkedInのようなSNSを使えばこれらのデータは自然と蓄積されてゆくはずです。
良いデータを残し悪いデータを残さない
データというAIにわかる形式で記録を残すことは重要です。
しかし、それがTwitterなどのSNSでの炎上などでは信用スコアが低下につながりかねません。
つまり、コントロールできる範囲で悪いデータは残さない方が良いということです。
どんな人にも良い面と悪い面がありますが、それを正直にネットに残す必要はありません。
できるだけ良いデータを意識的に選別してネットに残しましょう。
信用スコアサービスと連携しているサービスを使う
信用スコアはただの数字です。
なのでただ信用力を数値化しただけではほとんど意味がありません。
信用スコアはその信用スコアサービスと連携するサービスで使うことによって意味がでます。
もし信用スコアが高ければ連携サービスを安く使えたり、有利な条件で利用することができます。
そして、連携サービスを使うことによってさらにパーソナルデータが信用スコア側に蓄積されるというメリットもあります。
AI(人工知能)がパーソナルデータを分析して信用スコアを作成
ここまで説明したように、信用スコアとは
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AI(人工知能)
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パーソナルデータ
を組み合わせることによって数値化されます。
信用スコアという言葉自体が世界的に例が少なくて聞き慣れないだけで、仕組み自体はシンプルです。
なので、仕組みそのものに対して特に不安を感じたり怖がる必要はありません。
人工知能に対して不安や恐怖を煽るようなニュース記事等は多いですが、よくよく考えるとgoogleの検索エンジンはじゅうぶん人工知能的な働きをしています。
ということは、人は2000年代前半から人工知能をある程度活用しているとも考えらえます。
信用スコアも人工知能と同じくただの道具です。
過度の不安や恐怖を感じるのは合理的ではないように思います。
信用力の数値化が嫌なら同意しなければ良いだけ
もし自分の信用力を数値化するのが嫌なら信用力の数値化や信用スコアの作成に同意しなければ良いだけです。
信用スコアは基本的に同意しなければ作成されません。
すべては利用者の自由なので、信用スコアなどが嫌いだったり不安を感じるなら同意しなければ良いのです。
信用スコアの仕組みなどについて解説しましたが、ここからは信用力を可視化するメリットについて解説します。
信用力を数字で可視化・格付けするメリット
個人の信用力はほんらい人の目では見えないモノです。
これが、信用力スコアリングサービスを使うことによって数値化されます。
中国の芝麻信用を見てもわかるように、爆発的に普及するサービスには理由があります。
つまり信用スコアにはメリットがあるのです。
信用力を可視化・格付けすることのメリットを挙げていきます。
性格や能力を証明・保証できる
人は特定の相手を信頼できるどうかをその人の
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人格・性格
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能力
を見て判断していると言われています。
しかし、人格や能力を判断するのは仲の良い友達同士でも困難で、ましてや初対面の相手の人格や能力を即時に判定することは不可能です。
もしお互いに信用スコアを作成していれば、初対面でもお互いの信用スコアを見せ合うことで相手に対しての一定の保証や能力・人格の証明を得ることができます。
※信用スコアの数値が低ければ逆効果となります
SNSやシェアリングエコノミー、さらには出会い系アプリやマッチングアプリなど、WEBをきっかけとして人と出会うことが増えている昨今です。
信用スコアのような仕組みがあれば犯罪や詐欺予防にも役立ちそうです。
将来的にはAR端末でお互いの信用スコア等を確認できる時代が到来するかもしれません。
提携サービスで優遇される
もし信用スコアが高ければ、その信用スコアと提携しているサービスで
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デポジットが無料
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入会がすぐに完了する
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割引料金で利用できる
などのメリットが発生します。
つまり、通常よりも良い条件でサービスが利用できるということです。
もし信用スコアの数値が低くても、通常よりも条件が悪くなったりはしません。
信用スコアはネガティブな要素だけでなくメリットがある仕組み
信用スコアのような個人情報を扱うサービスは批判的にみられがちです。
ですが、どんな物事にも良い面と悪い面があります。
そして、悪い面よりも良い面の方が多いサービスが世の中に普及していきます。
日本では信用スコアがどのように受け止められるかわかりませんが、個人個人でしっかりサービスを見極め自分にとってメリットがある仕組みだと思ったら使いましょう。
そもそも信用力の数値化は強制ではなく、同意がなければ作成されません。
よって興味がなかったり嫌悪感を持つ人は信用スコア作成に同意しなければ良いだけです。