トランザクションレンディングの仕組み・メリット解説やサービス比較

トランザクションレンディング

利用できる人(法人)は限定されますが

「トランザクションレンディング」

は中小企業にとって銀行に替わる新しい融資元として注目されています。

上手に活用すれば銀行より金利等が良い条件で借り入れをすることができますし、手間もかかりません。

さらには審査が非常に早い、というメリットもあります。

このページでは

  • トランザクションレンディングの意味や仕組み

  • トランザクションレンディングを利用するメリット

  • 各サービスの金利や融資限度額など条件面での比較

などについてそれぞれ解説していきます。

フィンテックに興味がある方や消費者金融や銀行以外の融資先を探している方の参考になると思います。

ただし、融資を受ける条件として、トランザクションレンディングを提供しているサービスを利用する、ということが大前提になります。

トランザクション・レンディングとは?その意味や仕組み

トランザクションレンディング(Transaction Lending)は英語では個別で

  • トランザクション(Transaction)=処理、売買

  • レンディング(Lending)=貸し出し、融資

という意味があり、全体としては

「プラットフォーム内での売買やお金の出入り等のデータを元に与信を行う融資」

という意味合いで使われます。

プラットフォームとはクラウドサービスを代表とするネット上でのサービスのことです。

なのでトランザクションレンディングはオンライン上で融資の審査をおこなう

「オンラインレンディング」

の一種と考えることもできます。

プラットフォームを運営する企業がサービス提供している

トランザクションレンディングは特定のプラットフォーム運営会社がプラットフォームを利用する企業・個人事業主に対して行なう融資です。

特定のプラットフォームとは具体的には

  • 楽天モール

  • Amazonマーケットプレイス

  • GMOイプシロンの決済サービス

  • 会計ソフトのオンラインサービス

などが該当します。

ジャンルとして拡大すると

  • ECモール

  • ネットの決済システム

  • 財務・会計ソフトのクラウドプラットフォーム

などのサービスを展開している企業がプラットフォーム利用者に対するサービスの一つとしてトランザクションレンディングを提供していることが多いです。

とくにオンラインでの会計ソフトなどはトランザクション・レンディングの代表格です。

楽天市場

プラットフォーム内に蓄積されたデータを与信に活用

EC(電子商取引)のモールを例にしますが、モール内には出店企業の様々なデータがあります。

具体的なデータとしては

  • モールの出店料の支払い状況

  • 過去から現在までの売り上げ状況

  • モール内での顧客からの評判や口コミ

  • モール内で顧客とトラブルが起きていないか

などを確実に把握できます。

特に売り上げ状況を見ると

  • 繁忙期・閑散期の差

  • 過去と比べての伸び(先月と今月比も可能)

  • 顧客の数や顧客単価

  • プラットフォーム内の同業他社との比較

などをすべて把握できます。

このようなデータを元に与信を行えば返済能力などを的確に予測できます。

よって的確な条件で融資が可能になる、という理屈です。

融資する側にもメリットがある仕組み

トランザクション・レンディングは融資する側にもメリットがあります。

まず、トランザクション・レンディングを提供する側は通常の金融機関では手に入らないようなデータを利用できます。

それだけでなく

  • プラットフォームに融資先を囲い込むことができる

  • プラットフォームの魅力として未出店者にアピールできる

  • 毎月の決済金額を相殺して利息付きの返済金を定期的に受け取れる

  • コンサルタントや担当者が付いていれば融資先の人柄等もわかるので融資判断力が上がる

など、

  • プラットフォーム利用者の満足度を高めることできて

  • なおかつ構造的に融資金額の貸し倒れ率が低い

というプラットフォーム運営元には大きなメリットがあります。

トランザクションレンディングを利用するメリットとデメリット

ここからは借り手がトランザクションレンディングを利用するメリットを挙げていきます。

基本的にはメリットが大きい仕組みなのですが、デメリットもあるので順番に解説します。

アルトア

アルトア

メリット1.決算書等が不要

トランザクションレンディングではだいたいが決算書の提出を不要としています。

なので分厚い資料を作ったり準備する手間が省けます。

銀行などの金融機関へ融資の申し込みをするのと比較すると書類関係の手間は大幅に削減されるでしょう。

エメラダ・バンク

メリット2.担保・保証人が不要

担保や保証人も不要です。

これは過去の取り引きデータが担保や保証人のような役割を持っているからです。

ということは良くないデータが多ければ借り入れにおいて不利になる、ということでもあります。

メリット3.融資の審査期間が短い

トランザクション・レンディングは銀行などと比べると面談がないこともあり審査期間が非常に短いです。

最短で審査申し込みの当日に結果が出ますので、融資を受けたい時に受けることが可能です。

なので必要な時に(審査に通過すれば)すぐにお金を借りれます。

デメリット1.プラットフォームへの所属が必要

オンラインで融資を受けるにあたってトランザクションレンディングサービスを提供している企業プラットフォームに属する必要があります。

集客からシステム構築まですべて自前で行なっている会社はプラットフォームへの参加・利用を検討しなければなりません。

ただ、今ではオンライン融資サービスはによっては複数のプラットフォームサービスと提携していますので、どれかひとつでも決済やECなどのプラットフォーム系サービスを使っていれば融資の審査を受けれる確率が高いです。

デメリット2.情報が漏洩した時の危険性は高い

トランザクションレンディングでは自分たちの会社のデータを他の企業に渡さなくてはいけません。

これは銀行などでも同じことですが、ネット系サービスを運営している企業は大手銀行などと比べるとセキュリティが厳しくないことがほとんどです。

もし審査用として提供したデータがサイバーテロなどの犯罪によって流出したとき、何かしらの被害を被る可能性があります。

ただ、現代においてはインターネットを使うこと自体が一定のリスクを持つ行為なので、そこまで不安を感じる必要はありません。

トランザクション・レンディングのサービス比較

ここからはサービス内の個々の要素について比較していきます。

要素とは

  • 融資金額

  • 融資の利率

  • 審査にかかる期間

などです。

ただし、与信内容によって貸付条件等は変わりますのであくまでも参考程度にしてください。

それに、プラットフォームの内容次第というところもあります。

トランザクションレンディングに参入している企業名とサービス名一覧

まずは日本の代表的なサービスを一覧にします。

この中でサービスを比較します。

外国を含めれば

  • SquareによるSquare Capital(スクエア・キャピタル)

  • paypal

などがありますが、日本企業とはほとんど関係がないので比較対象としては除外します。

レンディング・ワン

レンディング・ワン

法人への融資金額の上限で比較

  1. Amazonレンディング:5,000万円

  2. エメラダ・バンク:5,000万円

  3. GMOイプシロン トランザクションレンディング:5,000万円

  4. 楽天スーパービジネスローン:3,000万円

  5. Partnersローン:3,000万円

  6. レンディング・ワン:1,000万円

  7. アルトア:300万円

  8. CAMPFIREレンディング:100万円

法人への融資金額の下限で比較

  1. エメラダ・バンク:500万円

  2. 楽天スーパービジネスローン:50万円

  3. アルトア:50万円

  4. GMOイプシロン トランザクションレンディング:30万円

  5. レンディング・ワン:10万円

  6. Amazonレンディング:10万円

  7. Partnersローン:10万円

金利(利率)の上限で比較

  1. レンディング・ワン:18.0%

  2. 楽天スーパービジネスローン:15%

  3. CAMPFIREレンディング:15%

  4. エメラダ・バンク:15%

  5. Partnersローン:14.9%

  6. アルトア:14.8%

  7. Amazonレンディング:13.9%

  8. GMOイプシロン トランザクションレンディング:個人は13.5%、法人は12.0%

金利(利率)の下限で比較

  1. レンディング・ワン:1.0%

  2. エメラダ・バンク:2%

  3. 楽天スーパービジネスローン:3.0%

  4. CAMPFIREレンディング:8.0%

  5. アルトア:3.8%

  6. Amazonレンディング:8.9%

  7. GMOイプシロン トランザクションレンディング:個人は6.0%、法人は3.5%

  8. Partnersローン:2.0%

プラットフォームに依存しないタイプもある

トランザクションにはここまで紹介してきたような

  • プラットフォーム運営会社が

  • プラットフォームを利用している人や法人にお金を貸す

というタイプだけでなく、

  • プラットフォームを運営していない会社がプラットフォームと提携し

  • 提携しているプラットフォームを利用している人や法人にお金を貸す

というタイプのトランザクションレンディングもあります。

代表的なサービスは「Lendy(レンディ)」です。

特定のプラットフォームに依存せずに融資を受けたい方は是非リンク先で詳細を確認してください。

オンラインレンディング「Lendy」の概要についてと、融資の審査にあたって使用するデータについて解説します。
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする