日本で個人がローンを組んだりクレジットカードを利用した場合、その履歴や返済情報は
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日本信用情報機構(JICC)
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シー・アイ・シー(CIC)
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全国銀行個人信用情報センター(KSC)
などの機関で
「個人信用情報」
として記録されています。
消費者金融やクレジットカード各社は貸付時に申し込み者の信用情報を必ず確認します。
そして信用情報と申し込み内容を元にキャッシング可能な金額や利率を決めています。
お金を借りたくても各社が定める基準を満たせなければ審査に落ちて、お金は借りれません。
この仕組みは簡単に言うと
「いま現在の返済能力」
を重視する融資です。
向こう何年間の実質的な返済能力である
「将来の返済能力」
についてはあまり参考にしていませんでした。
なのでいま現在の返済能力が低ければ融資してもらえなかったり、条件が非常に悪いなどの問題点がありました。
このような、これまでの業界の慣習を覆すことが期待されているのが、登録した個人情報をベースにして信用力を数字で算出する
「AIスコア・レンディング」
と呼ばれる金融サービスです。
そして、日本初のAIスコア・レンディングサービスとなるのがみずほ銀行とソフトバンクによる
「J.Score(ジェイスコア)」
です。
このページではJ.Score(ジェイスコア)の
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概要や利用するメリット
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申し込み方法や審査の流れ
などについて解説します。
将来の目標に向かって自分へ投資したい方はぜひJ.Score(ジェイスコア)からの借り入れを検討してください。
もしAIによって将来が有望と判断されたら、他の有名消費者金融と比較するとかなり良い条件で借り入れができるかもしれません。
このページの目次
AIスコア・レンディングのJ.Score(ジェイスコア)とは?
J.Score(ジェイスコア)の基本情報をまとめます。
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運営会社:株式会社J.Score(ジェイスコア)
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設立日:2016年11月1日
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資本金:150億円
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本店所在地:東京都港区赤坂五丁目3番1号 赤坂Bizタワー
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株主構成:株式会社みずほ銀行50% ソフトバンク株式会社50%
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登録番号:関東財務局長(2)第01510号 日本貸金業協会会員第005986号
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代表取締役社長CEO:大森隆一郎
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サービスURL:https://www.jscore.co.jp/
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サービス開始日:2017年9月25日
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iPhoneアプリURL:https://itunes.apple.com/jp/app/id1398701006?mt=8
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AndroidアプリURL:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.jscore.android.app
なんと言っても最大の強みは
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みずほ銀行が持つ膨大なビッグデータや審査ノウハウ
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ソフトバンクが持つ膨大なビッグデータやAI(人工知能)によるデータ分析力
で、両者がタッグを組むことによって旧来的だった個人向け貸付業界が大きく変わる可能性が出てきます。
具体的には、これまで融資を受けられなかった人たちが良い条件でお金を借りられるようになる可能性があります。
J.Score(ジェイスコア)を利用できる人の条件
J.Score(ジェイスコア)の利用にあたっては
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契約時の年齢が満20歳以上、満70歳以下
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日本国内に在住
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安定して継続的な収入がある(パート・アルバイトでも可)
このすべての条件を満たす必要があります。
条件を満たせば外国人の方や大学生も借り入れ可能です。

j.score(ジェイスコア)会社概要ページ
人工知能が審査を行い信用力をAIスコアで数値化
J.Score(ジェイスコア)では申し込み者に対して、
AIスコア
という数値を付与します。
そして、このAIスコアの数値がその人の信用力の目安となります。
つまり数値が高い人ほど信用力が高いことになります。
信用力の分析につかうアルゴリズムなどの細かいチューニングは随時行うはずですが、基本的には
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顧客が登録したプロフィール
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顧客が登録したライフスタイルや好みに関する情報
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簡単な質問に対しての回答
に基づいてAI(人工知能)が審査を行い、400点から1000点の間でスコア化(数値化)し
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最大融資額
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借入利率(金利)
などを即時に算出して融資してくれます。
詳しくは後述しますが、これまで借り入れの申し込みをする時に入力した審査情報とは全く違い、より個人の属性がわかるような情報を利用して融資の参考にします。
よってこれまでは期待したような借り入れができなかった人でもより良い条件で借り入れが可能になる可能性があります。

スコアと融資条件表示画面
既存の消費者金融との最大の違いは審査の方法
既存の消費者金融では各社共通のテンプレートのような質問項目が用意され、その内容によって審査が行われます。
その点J.Score(ジェイスコア)では、普通の審査で使われるような内容にプラスしてAIスコアの情報も審査に使います。
これにより、利用者にとっては
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AIスコアが良ければ良い条件で借りられる可能性がある
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既存の消費者金融より評価基準が増える
などのメリットが発生する可能性があります。
また、このAIスコアの内容が悪ければ融資を受けられないなど、デメリットになる可能性も出てきます。
よって良い条件で融資を受けようとするのなら日々の生活や将来設計なども改善していかなければなりません。

情報登録画面
スマホで審査・融資が完結する無店舗型のネットサービス
J.Score(ジェイスコア)は店舗側ではなく無店舗型のネットサービスです。
よって競合他社のような店舗運営にコストはかかりません[1]有名な会社はだいたい駅前のすぐ近くに無人の店舗を設置しています。。
なので結果的に貸付金利が低くなる可能性が高いです。
また、スマートフォンから融資の申し込みができるので若者からの利用が多くなりそうな印象があります。
営業時間というか、申し込みの受付はサイトから24時間受け付けています[2]審査には30分〜数時間かかり、営業時間内でないと審査は行われません。。
融資条件(貸付条件)まとめ
J.Score(ジェイスコア)の貸付条件をまとめます。
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契約極度額:10〜1,000万円
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融資単位:10000円以上(1000円単位)で融資可能
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返済方式:残高スライドリボルビング方式
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担保:不要
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保証人:不要

融資条件確認画面
貸付利率(年率)は最大で年12.0%
貸付金額に対しての利率はAIスコアの内容や金額によりますが、年0.8%から12.0%となります。
(※)貸付利率(年率)0.8%は、みずほ銀行、ソフトバンクまたはワイモバイル、およびYahoo! JAPANと情報連携を行ない、かつ一定の条件を満たす場合に限り適用されます
とうぜんAIスコアが高い人の方が低い利率で借り入れができます。
そもそも既存の大手消費者金融の最大利率がだいたい年18.0%前後です。
なので比較すると、かなり利率が低い設定であることがわかります。
ただし、最低利率の年0.8%はみずほ銀行とソフトバンクと情報連携をした時だけに実現できる可能性がある数値です。
金利や利息についてより詳しく知りたい方は下記ページをご確認ください。
最大融資額は1,000万円もしくは年収の1/3で総量規制の対象内
J.Score(ジェイスコア)を利用しての融資の極度額は10〜1,000万円です。
そして、借り入れ可能なのは最大でも年収の1/3となります。
つまり有名消費者金融とおなじく総量規制の対象内ということです。
よって安全性にも考慮されていることが伺えます。
銀行カードローンは総量規制の対象外となり社会的な問題になっていますが、J.Score(ジェイスコア)は総量規制の対象内ですので借りすぎる心配がありません。
J.Score(ジェイスコア)の審査内容・流れと返済方法
J.Score(ジェイスコア)の審査内容・返済方法についてまとめます。
基本的には
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AIスコアの数値
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申し込み内容
の二つで審査が行われます。
AIスコアはわかりやすいように数字で表示されます。
スマホでいつでも確認でき、自分のAIスコアはJ.Scoreの融資以外のサービスでも活用できるようになる予定です。
申し込み・審査にあたって必要な書類
申し込みにあたって必要な書類は
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本人確認書類
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収入証明書類(契約金額が50万円を超える場合のみ必要)
となります。
収入証明については
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契約金額が50万円以下でも、他の貸金業者での利用額を含めた合計金額が100万円を超える場合
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提出が必要だと判断された場合
などに該当した時は提出が必要になります。
書類面では必要なものは一般的な消費者金融と同じです。
AIスコアの算出に使用するデータ
AIスコアは個人のデータを分析することによって数値化されます。
なので利用者はデータをJ.Score(ジェイスコア)に提供しなければなりません。
提供できるデータはおおまかには
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他のアカウントとの情報連携
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質問への回答
の2種類に分かれます。
それぞれ情報を捕捉します。
AIスコア分析に使うデータその1. 情報連携
2019年9月現在で情報連携ができるアカウントは
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みずほ銀行との取引情報
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ソフトバンクとの取引情報
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ワイモバイル携帯の利用状況
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Yahoo! JAPANのID
この3つです(いずれも同意した場合です)。
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みずほ銀行で口座を持ちお金を出し入れしている人
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ソフトバンクの携帯を使っている人
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ワイモバイルの携帯を使っている人
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Yahoo!ショッピングやヤフオク!をつかってモノを購入している人
についてはJ.Score(ジェイスコア)側が参照できる情報が増えますし、クレジットカードの決済情報や携帯の毎月の支払い情報・利用情報はスコアを算出するうえで貴重な参考情報となります。
みずほ銀行の口座を持っており、情報連携に同意すれば金利が年0.1%下がるというメリットもあります。
また、ソフトバンクとワイモバイルの契約についても同様に年0.1%金利が下がります。
Yahoo!のIDに関しては
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Yahoo!プレミアム会員になっている
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過去1年のあいだにYahoo!ショッピングかヤフオク!での購入した履歴がある
のどちらかを満たせば金利が年0.1%下がります。
つまり合計で年0.3%金利を引き下げることができます。
AIスコア分析に使うデータその2. 質問への回答
J.Score(ジェイスコア)はユーザーに対して質問をして、その回答の中身でもAIスコアを分析します。
質問の内容については
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過去のスポーツの経験
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住んでいる場所
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TOEICの点数
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よく出かける場所
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TwitterやFacebookへの投稿状況
など、いっけん信用力と直接的に関係が無さそうなライフスタイルや趣味に関する質問も含まれます。
これらは直接的な情報ではありませんがビッグデータで傾向を見ると実は信用力、つまり返済能力に大きく関わるということだと思います。
多くの質問に回答すればするほど信用スコアが高くなるという傾向があるので、できるだけおおくの質問に回答をしてください。
AIスコアは随時更新してスコアアップが可能
借り入れ後でも、もし自分の身に
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引っ越し
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資格取得
などの変化が起きたら情報を追加したり更新してください。
AIスコアがアップして、借り入れ条件が良くなる可能性があります。
AIスコアを上げる方法については下記リンク先でくわしく説明しています。
ただし、審査の申し込み中はスコアアップができません。
申し込みをするときはなるべくスコアを上げた状態で行ってください。
※登録情報が変わらなくてもJ.Score(ジェイスコア)のアルゴリズムの変化によってスコアが上下することもあり、変更があれば登録したメアドに通知されます

スコア確認画面
申し込みと審査の流れ
ログインから審査・申し込みの流れをまとめます。
スマートフォンサイトからだけでなく、今後は専用アプリなどもリリースされるようです。
申し込みと審査の流れは
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ホームページからアカウント作成
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J.Score(ジェイスコア)にログイン
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AIスコア診断のための質問に回答
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利用限度額と金利の算出(AIスコアの確認)※スコア600点未満やより条件を良くしたい場合は「スコアアップ」へ
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メンバーシップから「お申し込み・審査状況確認」へ
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規定及び同意の確認
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レンディング申込(審査申込)
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レンディングに関する諸条件を確認
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お申し込み開始
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仮審査がはじまる
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仮審査結果をメールで受け取る
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(合格していれば)必要書類を提出する
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本審査と在籍確認
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正式に申し込み契約
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最短で当日に振り込み
となります。
同意についてはサイト内にある
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個人情報利用目的
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反社会的勢力でないことの表明・確約
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個人情報の取扱いに関する規約・レンディングの取扱いに関する規約
などを確認する必要があります。
申し込み時に記入する項目については消費者金融他社とそれほど違いはありません。

新規申し込み画面
返済方法
返済方法は
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銀行振込
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Pay-easy(ペイジー)
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口座振替(自動引き落とし)
の3種類が用意されています。
返済方式は「残高スライドリボルビング方式」です。
高い能力や大きな夢があるのにお金が・・・という人に向いている
これまでの消費者金融などでは
「現在の返済能力」
を重視した限度額や利率が設定されていましたが、J.Score(ジェイスコア)は
「将来の稼ぐ力」
つまり申し込みをした人が未来に得るであろう収入をAIによって予測し利用限度額・利率を算出してくれます。
なので
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大きな目標や夢があり海外へ留学したいけど資金が無い
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英語力や資格など高い能力はあるけど現状は仕事に恵まれていない
など、能力が高かったり将来性が高い若者などに向いた金融サービスになりそうです。