日本に住んで普通にテレビを視聴している人なら、消費者金融会社のテレビCMを見たことはあると思います。
流れる時間帯に制限はありますが、注意しながら見るとかなりの量のCMが流れていることがわかります。
さらに、注意して観察すると
-
電車の中
-
バスの中
-
街頭の看板
など、ありとあらゆる場所に消費者金融の広告があることに気づくはずです。
つまり、意外と人はお金を借りるのです。
個人が消費者金融などでお金を借りる行為は「キャッシング」や「ローン」と呼ばれ、これらの言葉はわりとカジュアルに使われます。
キャッシング・ローン産業は非常に巨大です。
そして、虎視眈々とこの巨大なキャッシング産業を狙っているのが
「信用スコア」
と呼ばれる事業に取り組んでいる各社です。
信用スコアを使った個人向けの融資は
スコア・レンディング
と呼ばれています。
では、スコア・レンディングは既存のキャッシングと比較してどのような違いがあり、利用者にはどんなメリットがあるのでしょうか。
この記事ではこれらについて解説します。
このページの目次
利用可能な場所や運営形態の違い
まず最初に
-
利用可能な場所
-
運営形態
などについて説明します。
基本的には、既存のキャッシングは店舗やネットなど様々な場所で利用できますが、スコアレンディングはネット、とくにスマホでの利用がメインとなります。
店舗の有無の違い
既存のキャッシングについて言うと、大手消費者金融各社は駅前に無人・有人の店舗を配置しています。
さらに、コンビニや銀行のATMと連携してそこからお金を借りたり返済したりすることができます。
対して、スコアレンディングは基本的にインターネットのみに対応しており、スマートフォンアプリですべて完結できるサービスもあります。
店舗があるサービスならインターネットと接続できない人でも融資を受けることができますが、若い世代にとってはスマホですべて完結するスコアレンディングで何も問題ないはずです。
というより、店舗に入るのを友人や家族など、誰かに見られたらマズい、という気持ちの方が強いのではないでしょうか。
ただ、スマホですべて完結するようなサービスだと深く考えずに気軽に申し込んでしまう、というデメリットもあります。
融資の審査方法の違い
スコアレンディングと既存のキャッシングを比較すると、おそらく最大の違いは融資の審査方法にあります。
簡単に言えば、スコアレンディングの方がよりたくさんのデータを使って申込者の信用力を分析し、融資条件を決定します。
スコアレンディングでは信用スコアが使われる
一般的に個人向け融資では、属性情報と呼ばれる情報と信用情報機関の情報を参考にして融資条件を決めます。
属性情報とは
-
年齢
-
家族構成
-
収入
-
勤務先
などの情報のことです。
これらの情報を総合的に分析することにより、申込者の信用力を判定し融資条件が決定します。
既存のキャッシングではほぼ属性情報と信用情報機関の登録情報で融資条件が決定しますが、スコアレンディングでは属性情報と信用情報機関に追加して信用スコアの数値、さらには信用スコアを作成するために任意で提供したパーソナルデータも信用力の判定に使われることがあります。
審査が甘くなる訳ではない
スコアレンディングはスマホがあれば申し込み可能で、ネットから収集できるパーソナルデータを信用力の測定に活用します。
このような仕組みなので、どちらかといえば若者向きのサービスであることは間違いありません。
ただ、若者向けとはいえ融資の審査は甘くありません。
信用力を分析して、回収が難しいと判断されたら融資はしてもらえません。
信用情報機関に傷がある、いわゆる「ブラック」と判断される人も融資はしてもらえません。
なので、審査の厳しさの面では既存の大手消費者金融と変わりません。
若者向け融資だから甘いということは絶対にありません。
融資条件の違い
最後に融資条件での違いを解説します。
ただ、融資条件ではスコアレンディングと既存のキャッシングはそれほど違いはありません。
わかりやすい差異が発生しやすいのは利率(年率)など金利の部分のみです。
スコアレンディングは利率(年率)が低い傾向
すでに述べたように、スコアレンディングは無店舗型のサービスです。
なので、店舗運営にかかる費用である
-
人件費
-
賃貸料・土地代
などがかかりません。
融資の審査担当に関してもAI(人工知能)をフル活用したりするなどして既存のキャッシングよりも担当人員が減る傾向があります。
これらの理由により、人件費や賃貸料などの固定費用が大きく減ります。
そして、その代わりに企業はサービスを向上することができます。
この「サービス」とは融資の利率(年率)のことです。
お金はできるだけ低い利率(年率)で借りた方が良いのは明白です。