健康連動型保険とは?保険の仕組みについて

健康連動型保険とは

「ビッグデータ」という言葉は2013年ころに流行語になりました。

しかし、流行した頃は人の意識やテクノロジーを含めた環境が整っておらず、言葉だけが一人歩きした印象があります。

その後、ビッグデータを扱う技術は着実に進歩して、企業を中心にデータの活用がどんどん進んでいます。

ビッグデータは保険商品の開発にも活用されています。

保険はそもそも統計などのデータと縁が深い商品ですが、最近では個人のデータも保険料の算出などに使われるようになりつつあります。

この記事では健康データによって保険料が変わる

「健康連動型保険」

の仕組みについて解説し、代表的なサービスも紹介していきます。

一般の保険との違いは健康年齢に注目している点

保険に加入する際、たくさんの情報を保険会社に渡します。

なかでも年齢と病歴は重要視され、

  • 年齢が高い

  • 病歴がある、もしくは多い

などの情報があると保険に加入できなかったり、加入できたとしても保険料が高くなる傾向があります。

統計上、高年齢だったり病歴があると確かに死亡率やガンになる確率などは高くなるのでしょう。

しかし、あくまでも

  • 「高年齢」という集団(グループ)

  • 「病歴がある」という集団(グループ)

このような集団の中にある傾向にすぎません。

つまり保険加入者個人の健康状態をみて保険料を高くした方が適切だと判断している訳ではありません。

健康連動型保険には、できるだけ加入者個人の健康状態や健康年齢にそった適切な保険料で加入してもらおうという考えがあります。

個人向けにカスタマイズされた保険ともいえます。

この点が一般の保険と健康連動型保険との違いです。

健康な人にメリットがある保険

個人向けにカスタマイズされた保険は健康年齢がおおきな基準になるので

  • 健康な人

  • 健康的な生活を送る人

などにメリットがある保険でもあります。

健康年齢は食事をふくむ生活習慣などで改善できるので、個人が努力すればそれが保険料の低下という形でむくわれます。

健康連動型保険では「健康年齢」がキーになりますが、このように新しい指標というかデータを保険料算出につかう保険は他にもあります。

代表的なものは自動車の

  • テレマティック保険

  • 運転行動連動型保険

などで、これらは安全運転だと判定されるような運転をすると保険料が下がる仕組みを導入しています。

個人の努力が保険料に影響を与える保険にはメリットがあります。

しかし、もし努力を怠れば保険料アップなど、個人にとってデメリットとなる結果を生むこともあります。

結果的に人が健康に気を遣うようになる

健康連動型保険には

  • 健康な人

  • 健康的な生活を送る人

などにとって保険料が安くなるのでおすすめの保険です。

保険料が安くなるというのは加入者にとっての直接的なインセンティブ(報酬)になります。

なので、

  • 健康な人は健康を維持しようと努力する

  • 健康でない人は健康になり保険料を下げようと努力する

という効果が期待できます。

なので健康連動型保険が広く普及すると健康的な生活を送る日本人が増える、と政府などは期待してるようです[1]産経ニュース:「政府が健康連動型保険の普及促進 来年にも協議会設置へ」にて確認。

健康年齢の判断にもちいるデータ

健康年齢は個人の身体のデータによって判断します。

どのようなデータを判断材料にするかは第一生命グループの保険会社であるネオファースト生命のサイトを参考にします。

ネオファースト生命は健康年齢によって保険料が下がる保険を複数商品化しています。

そんなネオファースト生命は

  • 体格(BMI)※男性のみ

  • 身長※男性のみ

  • 体重※男性のみ

  • 血圧(最高と最低)

  • 尿検査(尿蛋白)

  • HDLコレステロール

  • 中性脂肪※女性のみ

  • 肝機能(GOT・γ-GTP)

  • 血糖値(HbA1c)

  • 空腹時血糖(FBS)

などのデータを健康年齢の算出につかいます。

これらのデータは健康診断や人間ドックを受ければ測定して書類で受け取ることができます。

保険の種類は少額短期保険がほとんど

健康連動型保険は「少額短期保険」がほとんどです。

なので、

  • 保険料・保険金が安い

  • 契約は1年間

というものが多くなります。

契約に関しては1年間なので、毎年の健康状態の変化によって保険料が変わります。

将来はAI(人工知能)やウェアラブル端末も活用する

2019年1月現在は人間ドックや健康診断のデータを使うことが多いのですが、将来的には

  • ウエアラブル端末

  • Iot機器

などの機器をデータ収集に使う可能性が高いです。

そして、リアルタイムで収集したデータをAI(人工知能)が分析するようになるのでしょう。

データ測定・収集用の機器と分析用の人工知能が進歩すればよりパーソナライズ(個別化)された保険商品の開発が可能になります。

健康連動型保険サービスの紹介

ここからは簡単に健康連動型の保険サービスを紹介します。

興味がある方はリンク先で商品の内容を確認してください。

健康年齢少額短期保険

「健康年齢少額短期保険」は健康年齢少額短期保険株式会社の少額短期保険です。

自社のグループ企業が持つ100万件以上の

  • 健康診断の結果

  • レセプト(診療報酬明細書)

などのデータを健康年齢を算出に利用します。

1年更新で毎年の更新時に健康年齢を見直す仕組みになっています。

2016年4月に設立した新しい保険でもあります。

・健康年齢少額短期保険

https://kenko-nenrei.co.jp/

健康年齢少額短期保険

脚注・引用

脚注・引用
1 産経ニュース:「政府が健康連動型保険の普及促進 来年にも協議会設置へ」にて確認。