流行中のクラウドファンディングですが、じつはサービスによって仕組みに違いがあります。
だから、もしクラウドファンディングに興味をもったら、じぶんに合うのはどのクラウドファンディングなのかを確認しなくてはいけません。
この記事ではクラウドファンディングの種類について解説します。
具体的には
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クラウドファンディングの種類をしりたい
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どのタイプのクラウドファンディングが自分に合っているのかをしりたい
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クラウドファンディングでの金銭的なメリットやリターンについてしりたい
などに該当する方には参考になると思います。
このページの目次
クラウドファンディングは大きくは投資型と非投資型の2種類
クラウドファンディングサイトの種類は世界でも日本でも
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大きく分けると2種類(投資型と非投資型)
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細かく分けると5種類
2018年2月現在このように分かれています。
※今後は法律等の改正や新規サービスの登場によりどんどん増加するはずです
投資型の分類されるクラウドファンディングは
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貸付型・融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
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投資(ファンド)型クラウドファンディング
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株式投資型(エクイティ型)クラウドファンディング
の3種類で、投資型はお金の面での見返りを期待できます。
非投資型に分類されるクラウドファンディングは
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寄付型クラウドファンディング
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購入型(報酬型)クラウドファンディング
以上の2種類です。
こちらは「非投資型」ですので金銭的なリターンは期待できません。
5種類のクラウドファンディングのお金の流れと共通点
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貸付型・融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
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投資(ファンド)型クラウドファンディング
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株式投資型(エクイティ型)クラウドファンディング
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寄付型クラウドファンディング
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購入型(報酬型)クラウドファンディング
この5種類は種類がちがうと言っても共通する点はあり、
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クラウドファンディングサイトを運営する仲介会社が
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サイトに会員登録している個人(時には法人・団体から)からお金を集め
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そして仲介会社がクラウドファンディングを募集したクライアント(事業者)に集めたお金を融通する
というのは同じで、どのクラウドファンディングサイトも無料で会員登録できます。
そして、会員は基本的には18歳以上であることが求められ、未成年の場合は親権者または未成年後見人からの同意が必要となります。
ただ、サイトによっては20歳以上でないと登録不可だったりするのでサービス内容に興味を持ったら利用規約等で登録条件を確認してください。
このページではクラウドファンディングの種類ごとで代表的なサイトも紹介していますので、自分の目的と一致した種類のサービスが一目でわかります。
5種類それぞれの仕組み
ここからは5種類のクラウドファンディングの仕組みそれぞれを解説していきます。
まずは大きなくくりで分かれる2種類(投資型と非投資型)のから解説していきます。
そして大きなくくりの2種類を解説した後にそれぞれの種類に含まれるクラウドファンディングを小さな種類別で解説します。
お金を期待して投資する投資型・金融型タイプ
ふたつの大きな種類のうちのひとつが「金融型」「投資型」と呼ばれる種類のクラウドファンディングです。
ざっくり言うと
「支払ったお金以上の見返り(リターン)がある可能性があるクラウドファンディングのタイプ」
となります。
金融型のクラウドファンディングはただ支援・応援するだけでなく金銭的な見返りも欲しいと考えている方におすすめです。
注意!途中解約はできず元本保証も無い
投資・金融型のクラウドファンディングで配当金や分配金という形でリターンを受け取れるのは早くても半年から1年、時にはそれ以上の時間がかかります。
また、基本的には一度出資したら途中解約できず、元本保証も無いという特徴があります。
なのでお金を出資したけどそれは返ってこなかった、つまり0円になる、ということもありえます。
このタイプのクラウドファンディングは金融商品の一種と考え、資金分配やリスクとリターンを自分で検討する必要があります。
お金のリターンを期待しない非投資タイプ
クラウドファンディングには金銭的な見返りを期待できないタイプもあります。
それは
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寄付型クラウドファンディング
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購入型(報酬型)クラウドファンディング
の2種類です。
寄付型はそのままお金を寄付するタイプのクラウドファンディングです。
金銭的なリターンはゼロか、ゼロに近いのがこのタイプのクラウドファンディングです。
次は購入型(報酬型)クラウドファンディングです。
こちらも金銭的なリターンは期待できません。
しかし、寄付型とは違い支援をした出資者に対してはモノや体験などでリターンをしてくれることがあります。
ただ出資した金額に対してのリターンは正直に言うと大きくありません。
非投資型は寄付や事前的な要素が強い
この2種類はお金云々というよりは
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募集者の人格や事業内容に共感したのでを支援したい、応援したい
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募集者の人格や事業内容に共感したのでつながりをもって一緒に取り組みたい
このような気持ちによって成立しています。
だからお金の見返りを期待するのはそもそも間違っているのかもしれません。/p>
ここまで投資型と非投資型を種類と共にざっくり説明しました。
次は投資型からタイプごと個別のクラウドファンディングについて説明していきます。
金融型・投資型クラウドファンディングはさらに3種類に分かれる
金銭的なリターンを期待することができる金融型・投資型クラウドファンディングはさらに細かく3種類に分類可能です。
その3種類とは
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貸付型・融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
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投資(ファンド)型クラウドファンディング
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株式投資型(エクイティ型)クラウドファンディング
の3つです。
このうち貸付型・融資型のクラウドファンディングは
「ソーシャルレンディング(Social lending)」
と呼ばれ、年々存在感が強まりクラウドファンディングの一種というよりは個別の金融商品として投資家の間で認知度が高まっています。
貸付型・融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
近年急速に広がっているのが貸付型・融資型クラウドファンディングです。
貸付型・融資型クラウドファンディングと呼ぶより「ソーシャルレンディング」という呼び方のほうが認知されていますのでここからはソーシャルレンディングで統一します。
ソーシャルレンディングは
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クラウドファンディングサイトを運営する仲介会社が
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サイトに会員登録している個人投資家(時には法人・団体から)からお金を集める
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そして仲介会社がクラウドファンディングを募集したクライアント(事業者)に集めたお金を融通する
という流れはクラウドファンディングと同じですが、投資家にとって
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利回りが高くて数%から10数%のリターンを期待できる
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中期(半年から2・3年)で配当金で受け取れる
このようにクラウドファンディングの中ではお金の面でのもっとも高い期待ができる金融商品です。
金融商品なので取り扱えるのは証券会社などの金融事業を行う資格を持つ会社のみです。
お金のリターンは大きいけどリスクも大きい
根本的な話をすると中期(半年から2・3年)で金利数%から10数%を出資者が受け取れるということは借り主はそれ以上の金利を仲介会社に払っているということです。
投資に慣れている方はこの時点で多少リスクを孕んでいることがわかると思います。
結論を言うとソーシャルレンディングはデフォルト(貸し倒れ)のリスクがあるミドルリスクミドルリターンの金融商品ということです。
もちろん担保等、貸し倒れリスク等を軽減する対策は各社が行なっていますが、投資家はデフォルトリスクを承知した上で投資先を選びましょう。
ただ、お金の借主の詳しい情報は公開されないことがほとんど(貸金業法により企業名は公開されない)なので安全な投資先の選定は難しいです。
さらに言うと借主の情報が公開されないためソーシャル的な人と人とのつながりなどは期待できません。
このあたりはクラウドファンディングの一般的なイメージと違うので戸惑う人が多そうです。
なのでクラウドファンディングだと考えずに純粋に資産運用だと割り切った方がよいでしょう。
日本のソーシャルレンディングサービス一覧
日本の代表的なソーシャルレンディングサービス一覧をまとめます。
投資(ファンド)型クラウドファンディング
ただの投資だけでなく応援の意味合いも含まれるのが投資(ファンド)型クラウドファンディングです。
日本ではミュージックセキュリティーズ株式会社が運営する「セキュリテ」がとても有名です。
セキュリテは「マイクロ(小口)投資プラットフォーム」なので1口1万円ほどから投資可能です。
投資型クラウドファンディングの特徴は2点に集約されます。
その2点とは
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出資した金額以上のお金が配当金として分配される可能性があり、その金額は出資先の事業の状況によって変動する
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出資先が取り扱う商品やサービスを特典・優待的にもらえたり使える
です。
なので出資した以上のお金がリターンとして帰ってくることもありますし、最低でも出資先が取り扱う商品等を受け取ることができます。
まとめると金銭的な見返りを得られると同時に応援することに対してのお礼も受け取れるということです。
出資先の事業内容の将来性や、相手の人柄などを見て出資先を総合的に判断できるのも魅力のひとつです。
クラウドファンディング的な企業や人とのつながりを得られ、長期的な付き合いでお金のリターンも期待できるバランスの取れたクラウドファンディングと言えます。
日本の投資(ファンド)型クラウドファンディングサービス一覧
2018年2月までに確認できた、日本の投資(ファンド)型クラウドファンディングサービス一覧をまとめます。
株式投資型(エクイティ型)クラウドファンディング
株式投資型のクラウドファンディングは2015年5月に金融商品取引法が改正されたことにより事業として参入可能となりました。
なので歴史は浅いというか無いに等しいです。
日本では株式会社日本クラウドキャピタルが運営する
「FUNDINNO(ファンディーノ)」
が株式投資型のクラウドファンディングとして注目されており、ファンドが募集されると即日完売状態と大人気です。
株式投資型(エクイティ型)クラウドファンディングは従来であればエンジェル投資家やベンチャーキャピタルが実施していたような
「シード期」「スタートアップ」
と呼ばれるような株式未公開のベンチャー企業に出資できる仕組みです。
未公開企業の株を購入しますので、もし出資先の企業が事業に失敗したら購入した株券の価値が0円になる可能性があります。
逆に有望ベンチャー企業となり株式を市場に公開するようなことになれば購入した金額の数倍〜数十倍以上の金額でリターンが生まれる可能性があります。
よってハイリスクハイリターンの投資となりそうです。
そのせいかFUNDINNOでは投資金額の上限は投資先一社につき50万円と上限を設けています。
宝くじのようなハイリスクの投資商品なので注意
注意したいのはそもそも周囲から期待値が高いような新進気鋭のベンチャー企業は既にエンジェル投資家やVC(ベンチャーキャピタル)から出資されている可能性が極めて高いということです。
よってクラウドファンディングを利用して個人から資金調達するベンチャー企業はいわゆる金融のプロと呼ばれるような人たちからは見向きもされていないか評価が低い可能性があります。
しかし企業によっては「化ける」こともありますので、自分の目利きを信じて長期的な視野で投資したい方にはおすすめのタイプのクラウドファンディングです。
付き合う期間も数年単位になりますので、企業を応援しながら投資したい人向きです。
例えるならかなり高額の宝くじを購入するようなものなので、外れて腹を立てたりしていたら気持ちがもちません。
資金的にかなり余裕がある人に向いています。
日本の株式投資型(エクイティ型)クラウドファンディングサービス一覧
2018年
2月までに確認できた、株式投資型(エクイティ型)クラウドファンディングサービス一覧をまとめます。
非投資型から分かれる2種類
次はリターンを期待しないタイプのクラウドファンディングです。
非投資型はざっくりと2種類に分かれます。
そのうちのひとつ「購入型」はお金が支援額以上に増えることはありませんが、何かしらのリターンがあり、中にはプロジェクトの実行者と支援者の「つながり」となるものもあります。
購入型(報酬型)クラウドファンディング
購入型(報酬型)クラウドファンディングはおそらく最も知名度が高く利用者も多いクラウドファンディングです。
よくクラウドファンディングの代表格として挙げられることが多い
「Campfire(キャンプファイヤー)」「READYFOR?(レディーフォー)」
などが購入型のクラウドファンディングです。
なのでよく知られているのはメディア等の影響もあるのでしょう。
よってこのタイプのクラウドファンディングを「クラウドファンディング」と認識している方は多いはずです。
購入型(報酬型)クラウドファンディングは参入企業が最も多いタイプのクラウドファンディングなので利用者はどのサービスを使うか比較・検討する必要があります。
購入型クラウドファンディングの特徴
購入型クラウドファンディングの特徴をまとめると
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プロジェクトの実行者の事業内容や人物などを物語的に紹介して
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そのプロジェクトや人物に共感した支援者がお金を支援する
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そして支援者はただ支援・応援するだけでなく支援先とのつながりとリターン・特典を得る
このようになります。
寄付のような慈善事業ではありませんが、支援者が支援した金額以上のモノが返ってくることはありません。
返ってくるのはそのプロジェクトに関連した商品や独自イベント等への参加権であることが多いです。
金銭的な見返りは期待できません。
なので大事なのは応援・支援したいという気持ちです。
購入型クラウドファンディングを運営する企業もプロジェクトに対しての共感等の気持ちが無いと支援が集まらないことを知っています。
だから上手にプロジェクトに関わっている人物等を読み物のようにして取り上げます。
そうして事業内容や人柄に共感してくれる支援者を集めるのです。
通常の投資のような無機質な数字で判断するのではなく、関係者の「想い」や社会的な意義などをじっくり出資先を選びたい方におすすめです。
想いなどの共感してリターン目当てでなく「つながりたい」「応援したい」等の目的で長期的に支援するのはクラウドファンディングの醍醐味とも言える部分で、クラウドファンディング初心者の方は自分が共感できるプロジェクトがあったら是非支援を検討してください。
日本の購入型(報酬型)クラウドファンディングサービス一覧
代表的な購入型(報酬型)クラウドファンディングサービス一覧をまとめます。
海外の購入型(報酬型)クラウドファンディングサービス一覧
海外の代表的な購入型(報酬型)クラウドファンディングサービスをまとめます。
Kickstarter(キックスターター)に関しては日本語版が2017年9月にリリースされています。
寄付型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディングは購入型クラウドファンディングと比較すると理解しやすいです。
違いをまとめると
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購入型より学校法人・NPO・地域自治体などによるプロジェクトの割合が多い(購入型は企業が多い)
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リターンとしては得られるのはモノではないお礼状や名誉的なもの
このようになります。
寄付型なので純粋な寄付に近いです。
よって何か金銭的なリターンが欲しい人には全く向きません。
あくまでも寄付なので支援した見返りはお金以外のつながり・感謝等です。
運営会社も寄付型のクラウドファンディングでは利益が生みづらいので参入している企業は少ないです。
日本の寄付型クラウドファンディングサービス一覧
代表的な寄付型クラウドファンディングサービス一覧をまとめます。
クラウドファンディングの種類は今後も増える
株式購入型でもふれましたが、法律の改正や時代の変化によってクラウドファンディングの種類は増加します。
なので種類は今後間違いなく増えていきます。
それぞれのクラウドファンディングの性質や、リスクとリターンをしっかり把握した上でプロジェクトを支援してください。
クラウドファンディングのような仕組みによって個人の影響力はどんどん強くなり、プロジェクトを支援することによって間接的に何かを生み出すことができます。
あなたの支援によって新しい映画や商品が誕生する、こんなことが当たり前の時代になっているのです。
流行の最先端を追うなら海外のクラウドファンディング動向をチェック
日本のクラウドファンディングについて解説してきましたが、最新の変化等をチェックするなら海外のクラウドファンディングを調べてください。
だいたいが、アメリカで流行した後、その機能・仕組みを日本に輸入するというのがクラウドファンディングの大きなトレンドです。
ネットを使えば簡単に動向がわかりますので、詳しく研究しておくと最新のクラウドファンディングについて理解できるようになるでしょう。