このページではソーシャルレンディングについてまわる投資家側のリスクについて解説します。
大前提としてソーシャルレンディングはミドルリスク・ミドルリターンの投資商品です。
よってリスクを把握せずに投資することはおすすめできません。
リスクについて、大きくは
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ソーシャルレンディング業界や運営会社に関わるリスク
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お金が直接的に絡むリスク
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ソーシャルレンディングの仕組み上発生するリスク
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海外への投資案件についてまわるリスク
に分けてありますので、確認したい部分だけでもチェックしてください。
※ソーシャルレンディング全体を対象にして説明しています。個別のサイトにおいては多少に違いがありますのでご了承ください
ソーシャルレンディング業界や運営会社に関わるリスク
ソーシャルレンディング業界全体に関わるリスクを取り上げます。
業界全体のことなので、ソーシャルレンディング業界を構成しているサービス運営会社についてもふれます。
関連する法律の変更
ソーシャルレンディングサービスは
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貸金業法
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金融商品取引法
などの法律が関連しています。
なので、これらの法律が改正されたら良くも悪くも影響を受けます。
ソーシャルレンディング界隈で大きなトラブルや事故的な出来事が起きればより審査等を厳しくする方面で改正の動きが出るでしょうし、逆の出来事が起きればより緩やかにする動きが出るでしょう。
ソーシャルレンディングを悪用する詐欺集団
ソーシャルレンディング業界は右肩上がりで大きくなっています。
となるとFXや仮想通貨などのジャンルと同じことが起きて、ソーシャルレンディングを悪用した詐欺を行う人(時には集団)が現れます。
まっとうにサービスを運営しているかどうかはネット等で少し調べればわかります。
なのであまりにも上手くいきすぎた勧誘を受けたら時はいったん冷静になってネットで調べたり投資仲間に相談してみましょう。
登録や免許の有無で調べるのもよいでしょう。
信頼できる運営会社の調べ方
お金は誰にとっても大事なものです。
なのでできるだけ信頼できる会社に預けたいと思うのが普通です。
信頼できる会社ってなんだ?
という疑問はありますが、客観的には
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会社の歴史
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会社の資本金
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会社の株主・経営者
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過去の業績・実績
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登録免許・資格
などをもって信頼できるどうかを判断します。
迷ったら複数の会社の情報を見比べてどの会社で口座開設するかを検討してください。
運用会社の倒産リスク
ソーシャルレンディングサイトを運営している会社は企業規模で言えば小さい会社がほとんどです。
資本金は億単位であるところがほとんどですが、社員数は数人〜数十人規模の会社が多いです。
そして、業界自体が黎明期とあって宣伝等の投資がかさみ赤字の会社が多いです。
なので日本人なら誰でも知っているような大手金融機関と比較すれば倒産リスクはかなり高いです。
会社が突然倒産したりした場合、預けたお金は返ってこない可能性があります。
信託保全は無い
投資信託等でおなじみの信託保全はソーシャルレンディングにおいてはありません。
投資家から集めたお金の保全方法は会社によってばらつきがあります。
なので機会があれば運営会社に保全方法等を確認してください。
直接的にお金が絡むリスク
投資家にとっては最も気になるであろうお金に関するリスクをまとめます。
こちらも大前提として元本保証が無く、配当が遅延したり利回りが当初より低いなんてことが起き得ます。
元本保証が無いので元本割れすることも
投資した資金に対しての元本保証はソーシャルレンディングにはありません。
よって元本割れすることもあります。
元本割れのリスクを少しでも減らしたいなら
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案件の審査が厳しい会社を選ぶ
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担保が確保されている案件だけに投資する
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何らかの保証が用意されている案件のみに投資する
などの方法があります。
ただ、元本割れが絶対に嫌ならそもそもミドルリスク・ミドルリターンの投資商品であるソーシャルレンディングに投資すべきではありません。
確実性を求めるならローリスク・ローリターンの国債等を選びましょう。
早期償還によって予定よりもリターンが少ない
融資先が当初の予定より早く完済した場合、結果として投資のリターンが少なくなったり、資金が思ったより早く返って来て次の投資先が無くて寝かしてしまう等のリスクが考えられます。
ただ、リスクといってもどちらかと言うとポジティブに捉えるべき出来事とも言えます。
返済の遅延
融資先の事業が予定よりも遅れたり、そもそもうまくいってない場合、返済に遅延がおきます。
遅延=貸し倒れ(デフォルト)ではありませんが、回収が予定通り進まずに
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返済までの期間が長引く
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元本が毀損される
などにつながる恐れがあります。
貸し倒れ(デフォルト)のリスク
融資先の企業が倒産したり何らかの事情で返済が不可能になった場合、貸し倒れ(デフォルト)となります。
ただ、貸し倒れになっても元本割れせずに返還される可能性もあります。
サービスを運営する各企業が公表しているデフォルト率などを確認して投資してください。
ソーシャルレンディングの仕組み上のリスク
ソーシャルレンディングには仕組み上のリスクも存在します。
それに、そもそも優良な会社はソーシャルレンディングでお金を借りないという事実も無視できません。
投資先の情報が乏しい
ソーシャルレンディングでは投資先の情報公開が制限されています。
なので正直なところどんな案件でも同じように見えてしまいます。
株式投資のように個別の投資先の業績や将来性を見極めて投資をしたい人には向きません。
銀行等で融資を受けられなかった会社が投資先となる
投資先に関して補足すると、ソーシャルレンディングを利用する借り先はそもそも銀行等でお金を借りれなかった事業者です。
銀行が融資してくれないのには色々な理由がありますが、低金利でお金を借りれなかった層がソーシャルレンディングで資金を募っているという事実は間違いありません。
投資は先着順なので有望な投資先に投資するのが困難
投資先がいったんサイト上で公開されたら申し込みは早い者勝ちです。
なので超人気案件が公開されてから数分で申し込みが終了してしまう恐れがあります。
本来投資はゆっくり考えて行うべき物事です。
投資先の選抜をゆっくり行えないのはかなりのリスクです。
案件がはじまったら途中解約・キャンセルができない
案件に申し込み、案件が動きはじめたら解約・キャンセルはできません。
世界や経済情勢がいくら変わろうともキャンセルできないのであとは待つしかありません。
投資先の状況に一喜一憂しがちな投資家にとってはこの仕組みには良い面もあります。
海外案件への投資に伴うリスク
ソーシャルレンディングを利用すれば国内だけでなく海外の事業者へ融資することもできます。
しかし、海外は日本とはまた違ったリスクがありますので注意してください。
円建てで投資できても為替リスクがある
海外の事業者への投資でも円建てで可能なソーシャルレンディングがほとんどです。
しかし、どこかの過程で円に交換するタイミングが発生します。
そのタイミングでの為替によっては予定よりもリターンが少なくなる可能性があります。
為替リスクを避ける方法としては為替ヘッジをしている案件のみに投資するなどの方法がありますが、為替ヘッジには手数料がかかりますので一長一短です。