インターネットをつかえば誰でも簡単に情報を発信できます。
しかも、ただ情報を発信できるというだけでなく、
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世界中に低コスト(もしくは無料)で情報を発信することができて
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しかもリアルタイムで発信でき、ときには拡散もされる
ということから、世界はネットから発信された情報であふれかえっています。
しかし、ネットにある情報は玉石混合です。
素晴らしい情報もあれば、真実とは程遠い情報もあります。
問題はこの割合です。
客観的にみて、真実とは程遠いというか偽物と呼べる
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フェイクニュース
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デマ
などの情報と、自分たちの利益のために人の不安を煽るような詐欺まがいの情報が正しい情報と比較して量の面では圧倒しているようにみえます。
つまり人がネットから接する情報のうち、その大部分が嘘の情報であったり発信者の目的・意図に沿って加工・編集された情報かもしれない、ということです。
情報をネットから得ている人は若者を中心に増加しているので、これは社会問題とも言える大きな問題です。
このような問題をメディア関係者や起業家が放置するはずもなく、解決策を考え出す企業や人もではじめています。
この記事ではフェイクニュースやデマに対して関係者や起業家がどのような対策を講じている、もしくは考えているかをまとめ、その後に個人はこのような時代にどのようにネットをつかって
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情報の発信
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情報の受信
などに利用すれば良いかを考えたいと思います。
このページの目次
フェイクニュースに悩むFacebook
Facebookは世界ナンバーワンの会員数を誇る巨大SNS企業です。
日本人にとっては意外かもしれませんが、Twitterの存在感は世界でみるとFacebookに遠く及びません(アクティブ会員数で比較すると桁がひとつ違います。)。
そんなFacebookはフェイクニュースという大きな問題を抱えています。
FacebookはただのSNSではなく、その規模感から社会的なインフラとも考えられるのでFacebook内のフェイクニュースは社会的な問題に発展しかねません。
これまではFacebook会員からの報告によってフェイクニュースを判断してきましたが、Facebook利用者が真偽を判定できないからフェイクニュースは問題になっているのです。
なので、利用者からの報告以外の方法でフェイクニュースを防ぐ仕組みが必要となっています。
そして、Facebookはいくつかの方法でフェイクニュースを予防しようとしています。
ニュースフィードの信頼性で表示の優先順位を変更
2018年1月、FacebookはFacebookのフィード内に流れるニュース表示の優先順位をニュースメディアの信頼性にもとづいて変更することを発表しました[1]http://thebridge.jp/2018/01/facebooks-news-feed-will-soon-prioritize-stories-that-are-trustworthy-informative-or-local。
この仕組みにより、品質の低い記事やフェイクニュース的なゴシップ・憶測にもとづくような記事は表示されにくくなります。
ただ、日本では誰もが知っているような歴史のある大手出版社がフェイクニュース的な記事やゴシップを率先して発信しているので、アルゴリズムによってどのように評価されるかは不明です。
Facebookによる個人の信頼性格付けスコア
フェイクニュースの発信や拡散にどれほどの予防効果があるかわかりませんが、Facebookは個人に対しての信頼性をスコア化(数値化)することを発表しました[2]https://www.washingtonpost.com/technology/2018/08/21/facebook-is-rating-trustworthiness-its-users-scale-zero-one/?noredirect=on&utm_term=.ab0ef5bddc18。
0〜1
この間で信頼性がスコア化されるとのことです。
この仕組みが果たしてどれほど効果があるのかはわかりません。
しかし、
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ユーザーそのもの
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単体の記事
などに対しての信頼性の評価方法を模索していることは事実で、もしかしたらFacebookによってネット情報の革新的な評価方法が発明されるかもしれません。
もし革新的な方法でFacebookが成功したら、これをきっかけにして世界中ではじまりつつある評価経済的なサービスが一気に増えそうです。
https://pecu-nia.com/zhima-xinyong/
Facebookのような巨大SNSは規制や管理が難しい
Facebookだけでなく、SNSにはたくさんの人が利用する、という特徴があります。
たくさんの人が利用するので会員内でのインターネットに対するリテラシーや状況の判断能力にどうしても差がでます。
だからフェイクニュースが拡散されやすいのですが、SNSはたくさんの人が利用するプラットフォームなので中央集権的な規制や管理が難しいという特徴もあります。
もし誤った判断をすればそれに対してユーザーが反発して会員数の減少につながり、株価も急落してしまいます。
Facebookはその注目度からどうしてもメディア等から批判されやすく、些細な事件でも大きく批判されてしまいます。
フェイクニュースやデマに悩まされる状況を抜け出せるかどうかはわかりませんが、これらの問題を率先して解決しないければならない立場なので続々と対策を打つしかありません。
イーロン・マスクも興味を持つフェイクニュース対策
自動自動車で有名なアメリカのテスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏はたんなる実業家という枠を超える人気やカリスマ性があり、社会に対してとても高い影響力を持っています。
Twitterのフォロワー数をみても[3]https://twitter.com/elonmusk、2019年1月現在約2,392万ですので、個人の発信力も極めて高いものがあります。
そんなイーロン・マスクはフェイクニュースに対しても独自の取り組みを考えているようです。
一挙手一投足が注目される起業家だけに、イーロン・マスクが本気で取り組めば社会を大きく変える可能性があります。
Pravda(プラウダ)での信頼性スコアの構想をTwitter上で公開
イーロン・マスクは自身のTwitterにおいて、
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出版社
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ジャーナリスト
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編集者
などに対してcredibility score(信頼性スコア)で格付けする構想を発表しています[4]https://twitter.com/elonmusk/status/999367582271422464。
その構想の名前は
Pravda(プラウダ)
と発表しており、Pravdaにはロシア後で「真実」「正義」などの意味があります。
もし、プラウダの仕組みが実現されたらどのようになるのでしょうか。
おそらくですが、真偽が定かではないゴシップ的なニュースを発信するWEBサイトや出版社の信頼スコアは下がるでしょう。
そして、記者が署名付きで書いた記事は記事の発表時だけでなく、発表から時間が経ったとしても常に情報として正確かどうかをAI(人工知能)などの仕組みによって検証され続けるかもしれません。
もし出版社や記者の信頼スコアが低くて、それがわかっていれば読者もその記事を信頼することは減るでしょう。
信頼されない記事は拡散もされづらくなるのでフェイクニュースとして流通しづらくなります。
ただ、フェイクニュースやデマは匿名性が高い状態で発信されるでしょうから、このような発信者に対してはどこまで効果があるか疑問です。
個人としてはどのようなフェイクニュース対策をすればいいのか
ここまでは少ない事例ですが
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Facebook
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イーロン・マスク
などの取り組みを紹介してきました。
各社の取り組みが成功すれば良いのですが、もし成功しなかったり、誰もフェイクニュースやデマへの良い対抗策が浮かばなかった場合、メディアと接する個人個人が情報の真偽を見分ける目を持たなくてはならなくなります。
では、個人はどのようにしてニュース等の記事の信頼性を確認すればよいのでしょうか。
さらには、自分が情報を発信するときにはどのようなことに注意すれば良いのかをまとめたいと思います。
方法その1. 真実かどうかを疑う
まず大事なことは情報を鵜呑みにしないことです。
世の中の大体の情報は発信者の
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思想・考え方
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意図・目的
などによって偏り(バイアス)が発生します。
なので、どんな情報でもその人の目や頭脳を通して加工・編集されているのです。
このような情報は発信者その人にとっては真実かもしれませんが、他の人にとっては嘘の情報になる可能性があります。
なのでどんな情報も鵜呑みにせず、自分以外から発信された情報は自分の頭で処理して自分なりに解釈しなくてはいけません。
得体の知れない情報を脊髄反射的に反応したり、拡散するのはおすすめできません。
自分なりに拡散する価値があると判断できたときだけ情報を拡散すべきです。
方法その2. 前後の文脈を確認してから判断する
どんな情報でもその人の目や頭を通して加工・編集されていると説明しましたが、情報が編集された場合はその人に都合のよい部分だけ切り抜かれて発信されている可能性があります。
どんなに優れた人でもその人のある一部分だけに注目したら人としてどうかと感じる部分があるはずです。
それと同じで情報もある一点だけに注目していたら全体を正しく把握することが困難となります。
なので切り抜かれた部分だけではなく、できるだけ前後の文脈を読み取り、総合的に判断をするべきです。
そのためには編集されたニュース記事の外部サイトで確認しなくてはなりません。
とくに扇情的なメディアはこの手法を使い、読者を自分たちにとって都合のよい特定の方向に誘導しようとするので注意が必要です。
インターネットに情報を発信するときの注意点
情報は受信する側だけでなく、発信する側になるときも注意が必要です。
この記事ではおおざっぱな考え方だけをまとめたいと思います。
いくつかあげると
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インターネットでの言動も現実世界と同じで日本の法律が適用される
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現実世界と同じで、情報を受け取る相手がいることをイメージする
などが大事だと思います。
つまり、ネット上だろうと現実世界と同じように考えれば良いだけです。
ネットだから適当で良い、という考え方ではかなり厳しいと思います。
ただ、現実世界と同じような基準で考えればいいだけなのでそこまで難しいことではありません。
現実世界で初めて会う相手にいきなり
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誹謗中傷
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マウンティング
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嘘の情報(フェイクニュース)を教える
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又聞きの不確かな情報を教える
などを行うことはほとんどないはずです。
信用や信頼性のスコア化が進んでもそれは完璧ではない
最後に信用スコアや信頼スコアについてもふれます。
信用スコアは中国の芝麻信用が代表的なサービスですが、日本でも類似するサービスは有名ネット企業等で検討・企画されています。
その中にはイーロン・マスクが考えたようなメディアの信頼性をスコアリング(数値化)してくれるサービスもあるかもしれません。
しかし、人であろうとメディアであろうと、その信頼性がわかりやすく数値化されたからといってそれが100%正しいとは限りません。
信用スコア等はおもにAI(人工知能)がデータを分析することによって判断されます。
なので、データが無い人もしくは極端に少ない人や、過去のデータでは判断しづらい人の信頼性を正確に判定することはできません。
これは人だけでなく、ネット記事等のメディアにもあてはまります。
なので、結局のところ現実世界と同じで自分で判断するべきなのです。
信用スコアや信頼性スコアは参考情報にしかなりません。
もしスコアを鵜呑みにしたら、そのスコアを悪用しようと考えている人に振り回されることになります。
このようなことを防ぐためにも、情報を自分の目と頭脳で客観的にみて、自分の頭脳で判断することが重要となります。
脚注・引用