2018年以降、情報銀行のことがメディア等であつかわれることが増えました。
参入を表明する大企業が続々と現れています。
もし日本で情報銀行がビジネスとして成功すれば世界中が模倣して、外国でも情報銀行が浸透するかもしれません。
情報銀行は銀行のように金融庁によって認可や許可が必要な訳ではありませんが、認可団体による認可の仕組みはあります。
しかし、認可団体による認可は情報銀行の運営にあって絶対に必要というものではないようです。
もし許認可制でなくても、情報銀行は大事な個人情報(パーソナルデータ)を扱う業態ですので、
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顧客からの信頼
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情報セキュリティの高いノウハウや運用実績
などは必ず必要となるでしょう。
なので、事業への参入障壁はとても高いはずです
しかし、情報銀行が普及したら、おそらく無名の企業が勝手に「情報銀行」や「データ銀行」と名乗りサービスをはじめます。
そして、その中には
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スパムメール業者
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個人情報の転売業者
などの悪質業者が混ざりこむ可能性が高くなると思います。
なので、利用者は自分でしっかり正規のサービスと、偽物の情報銀行サービスを見分けなくてはなりません。
この記事では
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なぜ悪質業者は情報銀行を悪用するのか
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個人が悪質業者による情報銀行を見抜く方法
などについて解説します。
情報銀行がどのようなサービスかについては下記リンクで解説していますので、情報銀行の仕組みや役割について確認したい方はリンク先をチェックしてください。
このページの目次
なぜ悪質業者は情報銀行を悪用するのか
「情報銀行(じょうほうぎんこう)」は名称からして、悪質な業者とは縁がなさそうなサービスに見えます。
しかし、情報銀行は個人情報を収集している悪質な業者と非常に相性が良いサービスだと思います。
では、なぜ悪質業者は情報銀行を悪用するのでしょうか。
情報銀行は悪質業者と相性が良いであろう、いくつかの特徴があります。
情報銀行は無店舗型のサービス
情報銀行は店舗等が実在するいわゆる「銀行」とは違い、基本的には無店舗型のWEBサービスです。
なので、それらしい名称のドメイン(URLのこと)を入手して、簡単なWEBサイトを作れば誰でも
「情報銀行」
と名乗ることができ、表面上はサービスを運営できます。
無店舗なので実際に訪問し、オフィスの外観やスタッフの様子を見て信頼できるサービスかどうかを自分の目で判断することが難しいのです。
このような悪質な情報銀行サービスに会員登録してしまった場合、その人は登録した情報を業者に悪用される可能性があります。
規制等で情報銀行の名称等を使うことを許認可制にしたとしても、悪質業者は罰則を覚悟したうえで名乗るはずです。
なので、情報銀行やインターネットの知識が浅い方は騙されやすいと思います。
情報銀行が管理するのは個人の情報(パーソナルデータ)
情報銀行が管理するのは個人の情報です。
個人の情報をしっかりとした情報銀行に信託することには様々なメリットがあります。
しかし、悪質な業者の目的は個人情報の収集です。
悪質な業者に収集された個人情報はスパムメールの送付先となったり、個人情報の名簿屋に販売&転売されたりすることが多いです。
情報銀行も悪質な業者も、個人情報を扱うという点では一致しています。
情報をあつかう目的は全く違いますが、この一致を悪質な業者は利用するはずです。
情報銀行にはお金やポイントなどの利益が絡む
情報銀行に情報を信託するメリットとして
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お金
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独自ポイント
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割引クーポン
などの形で直接的に報酬が発生することが挙げられます。
だから消費者の間で普及する確率が高くなるのですが、こうなるとお金欲しさに情報銀行に登録する人も増えます。
お金目当てで登録する人の中には個人情報の信託先の信頼性には興味がなく、ただお金が欲しいだけという人もいるでしょう。
このような人は
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SNS
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ネット広告
などで情報銀行に勧誘されたら、あまり運営会社などを確かめず、気軽に登録してしまう確率が高くなります。
業者にとっては、お金欲しさに何もチェックせずサービスに登録してしまうような人の情報は高い価値を持ちます。
新しいサービスに対しては消費者の知識が少ない
情報銀行は世界的にみても新しいサービスです。
将来的に伸びそうな新しいサービスには、たくさんの人がビジネスチャンスだと考えて参入します。
その中には、収集した個人情報を悪用したい業者もふくまれます。
新しいサービスがはじまったとき、そのサービスの利用者はそのサービスについての知識や経験が乏しいことがほとんどです。
知識や経験が少ない人は、業者からしたらだましやすい格好のターゲットになります。
なので、情報銀行を利用したい人は登録する前に自分で情報銀行のサービス内容を比較したり、悪質な情報銀行を見抜く知識を持っていた方が安全です。
悪質業者による情報銀行を見抜く方法
2019年8月現在、日本で正式稼働している情報銀行はごくわずかです。
なので悪質な業者による動きなどは確認できていません。
それでも、おそらく今後悪質な業者が運営する「自称」情報銀行は増えるでしょうから、悪質な自称情報銀行の簡単な見分け方を列挙します。
基本的には数分間のチェックで危険なサービスは避けることができると思います。
業界団体に認定されているかどうかを確認する
情報銀行は、日本IT団体連盟という一般社団法人が認定制度を用意しています[1]https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35305450T10C18A9000000/。
ただ、情報銀行は日本IT団体連盟からの認定が必須というわけではありません。
それでも日本IT団体連盟からの認定を受けて情報銀行を運営しているサービスの方が、一定の審査に合格しているので信頼度は高くなります。
よって、利用しようとしている情報銀行に対して、少しでも不安を感じたらその情報銀行が認定を受けているかどうかを日本IT団体連盟のホームページから確認してください。
有名な会社が運営しているかどうかをチェック
きちんとした情報銀行を運営するためにはお金だけでなく技術力、さらには会社への世間からの高い評価や信頼など、様々な高いハードルがあります。
なので、
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知名度が低い会社(有名企業の子会社などは除く)
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高度な情報セキュリティ技術が必要なサービスを開発・運営したことがない会社
などに該当する会社では運営が難しくなります。
特に情報セキュリティについては重要で、いくら真面目に運営していてもハッカーなどによるサイバーテロの対策がしっかりされていなければ情報流出などのリスクが出てきます。
悪質業者が運営する情報銀行は
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聞いたことがない会社が運営している
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運営会社のホームページがない
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運営責任者の名前で検索すると良くない口コミが確認できる
などの特徴があると思うので、運営会社と運営責任者のチェックも大事です。
「楽して儲かる」などの勧誘方法は疑う
働き方改革の影響なのか、世間では副業が流行しています。
この流れで副業詐欺なども増加しているようですが、情報銀行も詐欺に悪用される確率は高いです。
SNSやスパムメール等の広告、もしくはWEBサイトで情報銀行が
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楽して儲かる
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不労所得が得られる
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在宅でも稼げる
などの言葉と共に紹介されている場合、そのサービスがまっとうな情報銀行である可能性は極めて低いです。
情報銀行は預かった情報の対価を保有者に還元するサービスで、一方的に稼げたりするサービスではありません。
これらのような言葉は副業詐欺等でもよく使われる言葉です。
なので、このような言葉を見かけたときは登録するのは止めるべきです。
検索やSNSでサイトの評価や口コミをチェック
今は検索エンジンやSNSで、企業やサービスに対しての評価や口コミが簡単に確認できます。
なので、聞いたことが無いような情報銀行に登録する前は
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サービス名
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サイトのURL
などで検索エンジンやTwitterを検索してみましょう。
もし個人情報の悪用などの起きていれば確認できる確率が高いです。
しかし、中には起きていないような出来事に対しても妄想的に被害を受けたと捉える人もいるので、できれば複数の口コミをチェックすべきです。
そして複数の口コミから総合的に個人情報を預けてよいかを判断してください。
情報銀行は安全に個人情報を管理する仕組み
情報銀行の本来の役割は、これまでは企業が一方的に収集・利用していた個人情報をしっかり管理し、そこから発生する利益を情報の保有者に還元することだと考えられます。
なので普通の情報銀行であれば預けたパーソナルデータは高いセキュリティで管理され、安全に運用されます。
情報を預ける側としては、情報の預け先さえ間違わなければ悪用等の被害にあう可能性はまずありません。
だから、
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簡単に儲かるなどの勧誘にのらない
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信頼できる会社を自分で選ぶ
などの基本的なことに注意して、自分の情報を有効的に活用してください。