クラウドソーシング大手の株式会社クラウドワークスは「クラウド経済圏」の形成を目標としてかかげ、目標達成のための戦略として
「クラウドスコア構想」
を発表しました。[1]http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS80447/fb323713/a655/4269/8aed/b08a131dcf5b/20171115210744517s.pdf
この構想では個人の「クラウドスコア」がキーとなります。
では、このクラウドスコアとはどのような数値(スコア)なのでしょうか。
このページの目次
クラウドスコアによって報酬の記録が個人の信用力に
クラウドスコアは「個人の信用力」が数字という誰でもわかりやすい形で可視化される仕組みです。
日本ではこれまで個人の信用力は
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在籍している企業の知名度や規模
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年収
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転職経験の有無や回数
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過去の金融事故の有無
などによって判断されるのが普通でした。
しかし、クラウドワークスのようなクラウドソーシングサイトを使いフリーランスで働く人が増加するなど、時代の変化によってこれらの判断基準が役に立たなくなりつつあります。
なので、クラウドスコアは時代に即した新しい個人の信用力の評価・判断材料として作われることになります。
クラウドスコアの数字はデータで決まる
クラウドスコアの数字はデータによって決まります。
データとは、クラウドワークスグループ内のサービスでの
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報酬データ
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評価データ
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行動データ
がメインで、他にもSNSの利用状況などのデータもスコアリングにあたって使われていると言われています[2]連携するデータはどんどん増加するようです。。
これらのデータをAI(人工知能)が分析し、クラウドスコアの数字を算出します。
人工知能の具体的なアルゴリズムなどについては非公開となっています。
信用力のスコアリングにあたって使うデータをそれぞれ少し補足します。
報酬データとは
報酬データとは、クラウドワークスグループ内のサービスである
などをクラウドワーカーとして利用し、クライアントから得た報酬ログのデータです。
おそらく
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報酬の金額が多い
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定期的に仕事を請負い報酬を受け取っている
というデータがあれば高く評価されると思います。
評価データとは
評価データとは、クラウドワークスグループ内のサービスで働き、ワーカーとして相手から得た評価のデータのことです。
クラウドワークスでの評価は
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スキル(受)・要望(発)
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クオリティ
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スケジュール
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コミュニケーション
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パートナーシップ
などの細かい項目ごとで、1〜5個までの星の数で評価されます。
この評価が高ければ取引がないクライアントからの仕事も受注しやすくなるなどのメリットがあります。
行動データとは
行動データはクラウドワークスなどのサービスに利用状況です。
具体的には
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サービスへのログイン率
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メッセージの反応速度
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メッセージのやりとりの内容
などが行動データとしてスコアリングに使われているようです。
お金をもらって仕事をする社会人としてルールとマナーを守っていれば特に問題ないと思います。
SNSのデータとは
SNSのデータとは
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Twitter
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Instagram
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facebook
などのフォロワーの数や質、ほかにも投稿の内容などのデータです。
高いクラウドスコアを得るメリット
ではクラウドスコアが高いとどのようなメリットがあるのでしょうか。
いまわかっている範囲でまとめます。
メリットその1. 融資サービス「クラウドキャッシュ」が利用できる
クラウドワークスはクラウドスコア構想の第一弾として
「クラウドキャッシュ(CrowdCash)」
を発表しています。
クラウドキャッシュは信用力が高いと判断されたクラウドワーカーが受注した仕事の報酬を仕事の完了前に受け取れるサービスです。
ただし、受け取ったお金は正確に表現すると融資となり、融資から一定の期間が経てば利息がつきます。
つまりクラウドスコアを与信材料として融資サービス、ということです。
融資をしてくれるのはクラウドファンディングサイトの「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で有名な株式会社CAMPFIREとなります。
CAMPFIREは「CAMPFIREレンディング」という融資サービスを展開していて、これを
「CAMPFIREレンディング for CrowdCash」
として利用する形になります。
メリットその2. プロクラウドワーカー認定の可能性
クラウドワークスにはプロクラウドワーカーという仕組みがあり、プロクラウドワーカーに認定されると仕事の受注数がかなり高い確率で上がります。
プロクラウドワーカーの認定基準については
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納品完了率(固定報酬制)が過去1年間で90%以上
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総合評価が過去累計で4.8以上
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スカウト数が1年間のあいだに5回以上
などの基準が公開されています[3]https://crowdworks.jp/blog/?p=1565。
しかし、これら以外の基準もあるようで、2017年9月期決算説明会で
実はこのスコアリングはすでに裏側では動いています。2年前にプロクラウドワーカーというものを始めて、データをずっとためているのですが、プロクラウドワーカーを認定する中で、例えば、裏側でどのようなメッセージをやり取りされているか、メッセージの反応速度はどうか、あるいはログイン率なども見られるようにデータ化して、スコアリングしているのですが、これによる成果があります。
このように説明がありました。
なので、クラウドスコアが高いとプロクラウドワーカーになれる確率が上がりそうです。
脚注・引用