「消費者金融(貸金業)」という個人向けの融資事業には長年の歴史があり、年間の借り入れ件数は年によっては1,000万件をこえます。
なので消費者金融大手になれば、膨大な数の融資内容をデータベース化しています。
そしてデータを使って
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きっちり遅延せずに完済した人
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遅延はしたけどなんとか完済した人
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返済をせずに夜逃げなどをした人
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自己破産などの債務整理をした人
などの行動をする人物のデータ的な傾向を把握してます。
つまり「ビッグデータ」という言葉が生まれる前から現在のビッグデータ活用的なことをしていたということです。
消費者金融各社は蓄積されたデータからわかる傾向をもとに融資希望者の信用力(融資したお金を返済できる能力)をプロファイリングします。
このとき信用力はスコアリング(数字化)され、数値で評価されることになります。
この記事では
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信用力スコアリングの仕組みや方法
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どのようなプロフィールデータを持っていれば高い信用力あると評価されるか
などについて解説します。
「自分のプロフィールではお金を借りる信用力が低いのではないか?」
と気にしている方はぜひ参考にしてください。
このページの目次
信用力スコアリングの仕組みや方法
信用力をスコアリング仕組みはどの消費者金融も導入していますが、会社によっては「与信スコアリング」「スコアリンシステム」など、呼び方が変わります。
しかし中身にはそこまでの違いはありません[1]どの会社も具体的な評価方法は企業秘密としています。。
信用力をスコアリングするときは、
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属性スコアリング(属性モデル)
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信用情報スコアリング
の2種類に分けてスコアリングします。
属性スコアリングと信用情報スコアリングには、それぞれにひもづいた沢山の審査項目があり、項目ごとにスコア(点数)をつけ、属性スコアリングと信用情報スコアリングの合計スコアで
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融資の可否
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融資金額の上限
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金利
などを決定する仕組みです。
ただ、項目の数や項目の中のどれに重きをおく(重要視)するかは消費者金融会社や融資責任者、さらには時代の変化によっても変わります。
属性スコアリング(属性モデル)とは
属性スコアリングについて詳しく説明します。
属性スコアリングは属性モデルとも呼ばれ、申込者の属性(プロフィール)を項目ごとに分析することによってスコアを算出します。
項目は申込者が書類に記入した内容や提出した証明書類によって埋められて、
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融資を返済してくれる傾向が高いプロフィールを持っている=スコアが高い
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融資を返済してくれない傾向が高いプロフィールを持っている=スコアが低い
このようにスコアリングされます。
嘘の内容を記入しても在籍確認や証明書類の提出でバレることが多いですし、内容に矛盾点があればそれもだいたいバレます[2]嘘の記載をする人のデータも膨大に揃っているからです。。
とくに新しいスコアリングシステムを導入しているところならAI(人工知能)が内容の矛盾を一瞬で判断しますので、嘘をつくことがどんどん難しくなっています。
そもそも消費者金融の申し込みで、相手を騙して嘘のプロフィールを使おうとすると文書偽造や詐欺の罪に問われる可能性があるので止めましょう。
信用情報スコアリングとは
次は信用情報スコアリングです。
信用情報スコアリングは信用情報が管理している信用情報のデータを照会しておこなわれます。
属性スコアリングをして問題がない時に次の審査として信用情報の照会に進めるようです。
信用情報には
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クレジットカードのクレジット枠の利用
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クレジットカードのキャッシング枠の利用
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消費者金融からの借り入れ(銀行系をふくむ)
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銀行からのカードローン
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住宅や自動車など各種ローンを組む
などの信用取引の申し込みや返済の状況がまとめられており、過去と今でどのように信用取引をしてきたのかがまとめられています。
信用情報も属性と同じく項目ごとでスコアリングされ、数字によって評価されます。
どんな情報が高い信用力があると評価されるのか
信用力のスコアリングは
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属性
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信用情報
のデータによって決まります。
では、どんなデータを持っていれば信用力が高いと評価されるのでしょうか。
具体的な例をあげながら説明していきたいと思います。
最初に高く評価される属性について説明し、その後に高く評価される信用情報について説明します。
高く評価される属性その1 勤務先や職業について
日本では人気のある企業で働いていたり、安定した職業に就いていると
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賃貸契約の審査
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クレジットカードの入会申し込み
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住宅ローンの審査
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恋愛・結婚
など、生活の様々なシーンで優遇される確率が高くなります。
消費者金融で借り入れするときも同じで、
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上場企業勤務
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資本金や従業員数が多い大企業に勤務
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地方や国家公務員
などが高い信用力があると評価されやすいです。
誰もが知っている大企業や場企業なら比較的業績は安定しているし、収入も平均的な会社員よりも高い傾向があります。
公務員なら年功序列制で徐々に給料が上がるし、収入は極めて安定しています。
そして、何よりこれらの職業についている人は転職する確率が低いです。
転職には様々な不安定要素があるので、転職しそうにない人はやはり信用力の面では高く評価されやすいです[3]ただ、高収入なのになぜ金利が高い消費者金融からお金を借りるのだろう?と裏になるかあるかと疑われる可能性はあります。。
勤務年数も信用力の評価対象になるのですが、転職する確率が低いということはおのずと平均的な勤務年数も高くなります。
このように、勤務先や職業は信用力を審査するにあたってかなりわかりやすい目安になるのです。
高く評価される属性その2 住居形態や家族構成
家族構成や住居形態も信用力の判断に使われます。
家族構成では
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祖父母
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兄弟
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妻
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子供
など、近しい家族が多いほど信用力が高いと評価されやすいです。
やはり頼れる人や守るべき家族が多い人ほど夜逃げや自己破産をする人が少ないというデータがあるのでしょう。
また、職業に関しても転職が独立するなど、リスクを冒す危険性が低くなるのだと思います。
住居に関しては
持ち家>賃貸
となり、自宅がある場所の住所も信用力の推測するのに使われます。
賃貸物件の場合は居住年数も評価され、毎年引越しを繰り返しているような人やかなり怪しまれます。
まとめると、
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3世帯家族で
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持ち家に住んでいる
のような属性だと高く評価されやすいです。
高く評価される属性その3 収入について
収入についてはシンプルで、
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月1回の安定した収入があるかないか
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200〜250万円以上の年収があるか
などが目安になります。
これらは安定した職業についていればほぼ解決する問題です。
なので職業との関連性が強い属性となります。
収入については、すでにふれたように安定した高収入を得ている人だと逆に
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何か裏があるのでは?
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ギャンブルやアルコール依存症などの問題があるのではないか?
などと疑われることがあります。
なので大企業に勤務している高収入の人なら総量規制の上限である収入の1/3までなら簡単に借りられる、というものではありません。
あくまでも総合的にスコアリングされて判断されます。
なので一定以上の安定した収入があれば収入に関しては高く評価されます。
高く評価される属性その4 他社からの借り入れ件数
消費者金融に融資を申し込むとき、他社からの借り入れ件数を自己申告で記載します。
ここは他社への申し込みがあるよりは、0件の方がやはり高く評価されます。
属性スコアリングにおいての借り入れ件数は自己申告なので、他社からの借り入れがあっても0件と書くことは可能です。
しかし、他社からの融資の申し込み情報は信用情報を照会すればすぐにわかります。
なので正直に書くのが一番です。
もし他からの借り入れがあるのに0件と書くと属性ではなく人格の面で強い疑いをもたれることになりかねません。
高く評価される信用情報その1 他社からの借り入れが無い
属性スコアは内容によって加点されいくようなイメージですが、信用情報については減点されていくようなイメージです。
まず、他社からの借り入れに関しては少ない、もしくは0の方が評価は高くなります。
件数でいうと、3個以上あるとかなり評価は低くなります。
繰り返しになりますが、他社からの借り入れ状況は消費者金融が信用情報機関に照会すればすぐにバレます。
なので隠すことはできません。
信用情報や信用情報機関についての詳しい情報は下記リンクから確認してください。
高く評価される信用情報その2 借り入れを遅延なく完済
まず消費者金融から借り入れの履歴があるだけで評価は下がります。
ですが、遅延をせずに完済していれば評価の低下を最小限に抑えることができます。
そして完済から5年が経てば信用情報での記録がクリアされ、実質的に借り入れが0回の人としてみなされます。
「高い信用力がある」という評価を得たいなら
ここまで属性と信用情報を使ったスコアリングについて説明しました。
内容についは説明した通りですが、まとめると
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お金は借りない人がもっとも高く評価される
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お金を借りても遅延せずしっかり返済する
となります。
なので、最善の手はお金を消費者金融から借りる必要がないような環境に自分の身を置くことです。
属性で高く評価される人というのは、お金を借りなさそうな人です。
信用力のスコアを高くしようと努力すればおのずとお金を借りる必要がなくなるので、まずは少しでも良いので信用力を高めるために目標をたて、それを生活習慣に落とし込みましょう。
信用力に自信があるなら信用スコアを使うという手もある
自分の信用力に自信がある、ということが大前提となりますが、個人の信用力を可視化するサービスが日本で増えており、これがオススメです。
というのも、信用スコアを利用した融資サービスにおいて信用力が高いと判断されるとこれまでの消費者金融と比較すると
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融資上限
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金利(年率)
などの融資条件がかなり良いからです。
もしご自分の信用力に自信があるのなら、信用スコアのようなサービスを使って自分の信用力を正確に測定してもらい、信用力を活かして良い条件でお金を借りてください。