AI(人工知能)採用の仕組みと合否判定に使うデータについて

AI(人工知能)採用の仕組み

2019年入社の新卒採用において、AI(人工知能)を採用の判断のサポートに導入する企業が増えています。

応募者からしたら自分の人生がプログラム(AIはプログラムです)によって左右されてしまうのは不本意かもしれません。

しかし、AI採用は企業にとってもメリットがあり、応募者にとってもメリットがある仕組みです。

企業が人材採用という企業の業績に強く関わる部分をAIに任せるのは、たくさんのメリットがあるからです。

なので、採用にAIを導入する企業はこれからどんどん増えるはずです。

この記事では

  • AI採用の仕組み

  • AIが採用の合否判定にもちいるデータ

  • AI採用に使われるサービス一覧

などをかんたんに解説したいと思います。

AI採用の仕組み

まずは

  • AIを使った人材採用の仕組み

  • 有名企業にAI採用が導入される背景

などについて説明します。

AIが判定に使うのは情報(データ)

AI採用の仕組みをシンプルに表現すると、

  • 応募者の情報(データ)を見て

  • AI(人工知能)が合否の判定する

ということです。

これまで一般的に採用の現場では

  • 採用したい人材像

  • 自社に合うであろう人材像

などの情報(データ)を理想=採用基準として、理想の情報に一致するのでないか、と思う人物を人間が応募者の中から選んでいました。

つまり

  1. 人事部門が持つ採用の理想像(データ)があり

  2. 応募者の中から採用の理想像のデータと一致もしくは近いと判断できる人物を探してふるいにかけ

  3. 人が合否の判定をする

という処理というか行為を繰り返していました。

これがAI採用になると

  • 採用の理想像(データ)をAIが読み取る

  • 応募者のデータの中から採用の理想像のデータと一致もしくは近いと判断できる人物をAIが探してふるいにかけ

  • AIが合否の判定をする

ということになります。

つまり人が行なっていた応募者を振り分ける思考・決定フローをAIが代替する、ということです。

よって、おこなっている処理の内容は人でもAIでもそれほど変わりません[1]AIは「企業の色と合わないけどこの人は面白そうだな」と人事が感じる情報も学習可能です。

面接にAIを使う企業もある

AI採用は書類選考の時点で導入している会社が多いです。

しかし、面接でも人工知能による面接

「AI面接」

を実施する会社もあります。

よくよく考えれば面接は応募者の

  • 面接官が発する言葉に対しての言葉によるレスポンス

  • 面接官が発する言葉に対しての表情の変化

という「情報」を判定する場です。

なのでAIによる面接も不可能ではない、ということでしょう。

また、AI面接なら

  • リアルタイム画像

  • 音声

などのデータを送受信できる場所ならどこからでも面接が実施できる、というメリットもあります。

導入の背景には応募者が多すぎるという問題

AI(人工知能)が採用の現場に採用されるのには理由があります。

ネットを使った一括エントリーなどの弊害か、採用に対しての応募者が多すぎるのです。

とくに有名企業には応募が集中しやすいようです。

企業の人的リソースは限られています。

興味本位の応募者に対してすべて同じように対応していたらとてつもない時間と労力がかかります。

なので、倫理的に問題がない範囲でAIにできることはAIにまかす、という流れが広まる確率は高いと思います。

その方が企業としては面接などに時間を使い、応募者の人物を深く掘り下げることに集中できます。

AIが採用の合否判定にもちいるデータ

AI(人工知能)を使った採用ではデータが重要ですが、とくに

  • AIが採用基準にする教師データ

  • 書類選考の合否判定に利用する応募者のデータ

が合否判定において大事なデータとなります。

それぞれ補足します。

採用の基準となる教師データの補足

AIはデータをもとにすべてを判定します。

そして、AI採用においては企業が設定する採用基準を教師データとして読み込む必要があります。

採用基準として使われるデータは

  • 過去に合格した人のエントリシートや履歴書

  • 過去に不合格(落選)だった人のエントリシートや履歴書

  • 過去の採用者のその後の実績を示す人事考課

などが多いようです。

ただ、採用基準としてどのデータを使うか、もしくはどれを重要視するかは企業の採用方針によって変わります。

書類選考の合否判定に利用する応募者のデータの補足

書類選考の合否判定に利用する応募者のデータは

  • 履歴書

  • エントリシート(ES)

などです。

いまのところデジタルで記載された内容を分析・判定しています。

これは手書きの文字だと文字認識が上手くいかないことがあるためでしょう。

しかし、将来的にAIの認識や分析能力が高くなれば手書きの筆跡も含めて合否の判定材料にできるようになるかもしれません。

AI採用サービスを提供している会社

AIによる採用・面接サービスを提供している会社は

  • 「SHaiN(シャイン)」の株式会社タレントアンドアセスメント

  • 「Watson(ワトソン)」のIBM

  • 「GROW(グロウ)」Institution for a Global Society

  • 「HaRi(ハリ)」の株式会社三菱総合研究所(株式会社マイナビとの共同開発)

などがあります。

それぞれのサービスを詳しく知れば合格する人の傾向などがわかると考える人がいるかもしれませんが、企業ごとでプログラムはカスタマイズされることが多いので難しいと思います。

さらに、人工知能の意思決定の中身はブラックボックスになることが多いので、実のところ誰も合格理由がわからない、なんてことも起こり得ます。

脚注・引用

脚注・引用
1 AIは「企業の色と合わないけどこの人は面白そうだな」と人事が感じる情報も学習可能です。
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